2017年10月に発生した台風21号は、静岡県に「超大型」として上陸し、日本全土に大きな影響を与えました。特に西日本から東日本にかけての地域では記録的な大雨が降り、河川の氾濫が相次ぎました。本記事では、河川氾濫に備えるための「マイ・タイムライン」の重要性を紹介し、災害時の避難行動を時系列的に整理することで、より安全な避難を実現するためのポイントを解説します。
超大型の台風
2017年(平成29年)10月23日 2017年台風21号
台風21号が静岡県掛川市付近に上陸(上陸場所は、当初の「静岡県御前崎市付近」から後日、気象庁により修正発表)。
上陸の際、強風域の半径は850kmの「超大型」となり、記録が残る1991年以降では初めて「超大型」での上陸台風となり、上陸後は、静岡県から関東地方を縦断し、日本の東海上で温帯低気圧に変わりました。
大雨による河川の氾濫
台風接近前から本州付近に停滞していた秋雨前線の活動が活発となり、西日本から東日本にかけて大雨となり、特に紀伊半島では降り始めからの雨量が900mm近くに達する記録的な大雨となったほか、近畿地方の市街地でも大雨による河川の氾濫も相次ぎました。
防災行動を時系列的に整理する
大雨による河川の氾濫が起きたことを想定し、自分の家族構成や生活環境にあった避難に必要な情報・判断・行動を把握して、「避難のタイミング」等を明確にしておくことが大事です。
マイ・タイムラインとは
「マイ・タイムライン」は、洪水がおこりそうなときの自分や家族の行動をあらかじめ決めておくものです。
出典 国土交通省関東地方整備局
自分の逃げ方を考えよう
マイ・タイムラインで逃げ遅れゼロ~洪水からの自分の逃げ方を考えよう~
出典 国土交通省下館河川事務所
マイ・タイムラインを作る前に知っておきましょう
「台風が発生」してから「川の水が氾濫」するまで
「台風が発生」してから「川の水が氾濫」するまでには段階があります。
段階があるところが洪水と地震との大きな違いです。
「台風が発生」してからどのような段階をたどって「川の水が氾濫」するのかみてみましょう。
出典 国土交通省関東地方整備局
川の水が氾濫する5時間くらい前です。どんどん水位が上がり、普段、公園やグラウンドなどに利用している河川敷も水浸しになってしまいます。
川の水が氾濫する3時間くらい前です。堤防の高さくらいまで水位があがってしまいます。
川の水が氾濫して街中が水浸しです。こうなる前に避難しましょう。
マイ・タイムラインを作る
洪水時の基本的な行動を考えてみましょう
家庭の状況チェック
車を持っている、祖父母と同居している、ペットを飼っている…等、1)の洪水時の基本的な行動に入らない、自分だけの状況があります。
それを確認して、自分にはどのような行動が必要か考えてみましょう。
マイ・タイムラインを作ってみましょう
基本的な行動を理解して、家庭の状況チェックをし、基本的な行動以外の自分に必要な行動が分かったら、「マイ・タイムライン」を作ってみましょう。
実際に自分ならどうするかを決めておきましょう。
出典 国土交通省関東地方整備局
まとめにかえて
台風による河川氾濫を想定した防災行動を時系列的に整理し、洪水発生時の適切な避難行動を事前に計画する「マイ・タイムライン」は有益なツールと言えます。家族構成や生活環境に合わせた避難の準備をし、洪水から身を守るための行動を具体的に考えることが求められます。
水害から暮らしを守る
東京都では、東部低地帯において、これまで高潮や洪水による多くの災害を受けてきたことから、高潮対策等の堤防整備や耐震・耐水対策に取り組んでいます。
本動画では、東部低地帯での高潮・洪水対策事業の概要について、映像を用いてわかりやすく説明しています。
出典 東京都|水害から暮らしを守る!~東部低地帯での高潮・洪水対策【建設局】