1894年10月22日に発生した庄内地震は、山形県の庄内平野を震源とするマグニチュード7.0の地震で、死者726人、家屋全壊3,858棟の甚大な被害をもたらしました。特に、地震に伴う火災によって2,000棟以上の家屋が焼失したことが特徴です。この記事では、地震火災の危険性とその対策について詳しく解説し、感震ブレーカーの設置や家具の転倒防止、日頃からの防災訓練の重要性を考察しています。
地震に伴い大火が発生
1894年(明治27年)10月22日 庄内地震
山形県の庄内平野を震源とするマグニチュード7.0の庄内地震が発生しました。
南北40kmにわたってのびる活断層の庄内平野東縁断層帯に関連した地震とされ、酒田市周辺など最上川下流部の平野部(庄内平野)での被害が大きく、死者726人、負傷者1,060人、家屋全壊3,858棟などの被害があり、特に地震に伴い大火が発生したことが特徴で、家屋2,000棟以上が焼失している。
大規模地震発生時には、火災が同時に多くの場所で発生するおそれがあるため、消防力が不足することで消火活動が困難な状態となり、住宅密集地などでは大規模な火災につながる危険性が高くなります。
地震火災
近年の大規模な地震発生時においては、電気に起因する火災が多く発生しています。2011年3月11日に発生した東日本大震災における本震の揺れによる火災では、原因の特定されたもののうち過半数が電気に起因したものでした。
出典 総務省消防庁
地震火災を防ぐ主なチェックポイント
事前の対策
- 住まいの耐震性を確保する
- 家具等の転倒防止対策(固定)を行う
- 感震ブレーカーを設置する
- ストーブ等の暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
- 住宅用消火器等を設置し、使用方法について確認する
- 住宅用火災警報器(連動型住宅用火災警報器などの付加的な機能を併せ持つ機器を推奨)を設置する
出典 総務省消防庁|地震火災対策について
地震直後の行動
- 停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く 避難するときはブレーカーを落とす
- 石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
避難するときはブレーカーを落とす
出典 総務省消防庁|地震火災対策について
地震からしばらくして
(電気やガスの復旧、避難からもどったら)
- ガス機器、電化製品及び石油器具の使用を再開するときは、機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認する
- 再通電後は、しばらく電化製品に煙やにおいなどの異常がないか注意を払う
出典 総務省消防庁|地震火災対策について
日頃からの対策
- 消防団や自主防災組織等へ参加する
- 地域の防災訓練へ参加するなどし、発生時の対応要領の習熟を図る
出典 総務省消防庁|地震火災対策について
まとめにかえて
地震火災を防ぐためには、感震ブレーカーの設置や家具類の転倒防止対策、安全装置などを備えた火気器具の普及を推進するなどの出火防止対策に加え、住宅用火災警報器、住宅用消火器、エアゾール式簡易消火具などの設置といった火災の早期覚知・初期消火対策、さらには地域の防災訓練や自主防災組織への参加といった、地域ぐるみの防火対策が重要です。
出典 総務省消防庁
地震火災から命を守る
今後、関東で発生すると予測されている首都直下地震。地震が起きた際、もう一つの大きな脅威は「大規模火災」です。地震火災による想定死者数は1万6000人になるとも想定されています。中でも、木造の住宅が密集している東京・墨田区は火災危険度が高い地域と言われています。災害の歴史を教訓とした自治体の備え、地域ぐるみの防災への取り組みの数々を紹介します。
この記事は、明日をまもるナビ「ブラッと防災 地震火災に備える」(2021年9月26日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しています。
出典 NHK防災
これだけは知っておきたい、地震火災の怖さと防災の取り組み
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