土砂災害からどう逃げるかを考えてみる・9月25日~30日 平成16年台風21号

台風
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この記事では、2004年9月に発生した台風21号による記録的な大雨と、それに伴う大規模な土砂災害について振り返り、災害から身を守るための避難の重要性を考察します。特に、土砂災害の前兆や適切な避難行動に焦点を当て、命を守るために知っておくべきポイントを紹介します。台風や豪雨の際にどのように避難すればよいか、また災害時にどのような行動を取るべきかを学び、防災への備えを強化しましょう。

記録的な大雨による大規模な土砂災害が発生

2004年(平成16年)9月25日から30日にかけて 平成16年台風21号

出典 国土交通省中部地方整備局 台風21号

台風21号が日本列島を縦断。9月21日にグアム島の西南西の海上で発生した台風は発達しながら北上し、沖縄本島と宮古島の間を通過、東シナ海で進路を東寄りに変えて29日8時30分頃、鹿児島県串木野市(現在のいちき串木野市)付近に上陸。台風はその後、高知県宿毛市付近と大阪市付近に再上陸しながら九州・四国・近畿・北陸地方を進み、30日朝に東北地方で温帯低気圧に変わりました。

大雨による大規模な土砂災害

台風周辺の発達した雨雲と秋雨前線の影響で西日本と東海・東北地方で大雨となりました。特に紀伊半島では三重県宮川村(現在の大台町)で1時間に139mmの猛烈な雨を観測、三重県尾鷲市では日降水量740.5mmを記録するなど記録的な大雨となり、三重県宮川村では土石流や山崩れといった大規模な土砂災害が発生するなど、この台風で全国で死者・行方不明者27人、浸水・損壊家屋22,000棟以上の被害となりました。

出典 NHKアーカイブス 2004年 台風21号

“前兆”があったら即避難

土石流や山崩れといった大規模な土砂災害が発生すると被害が発生する前に避難することが必要です。前兆が表れて短時間で土砂災害は起こります。その為には少しでも早くその前兆を捉えることが大事です。

およそ1時間の出来事

台風上陸前から降り続く雨により、役場に問い合わせのある土嚢の設置要請など、順次対応していた。しかし、次第に問い合わせが増え、さらに各地区から土砂災害などの報告が複数上がってきた。およそ1時間の出来事であった。
出典 みえ防災・減災センター事務局

みえ防災・減災センター事務局 みえ防災・減災アーカイブ「平成16年台風第21号豪雨体験談映像(大台町 片上 高志さん)」ー三重県・三重大学 みえ防災・減災センター 事務局

防災の知恵「土砂災害!“前兆”があったら即避難」

土砂災害は避難に関する情報が発表されていなくても、突然発生することがあります。
<土砂災害の前兆>
「土石流」… 渓流の水位が急に減少する、地鳴り、土臭いにおいなどが見られたら起きる可能性があります。
「がけ崩れ」… 湧水が突然止まったり吹き出したりする、斜面に亀裂ができる、小石が落ちてくるなどが前兆です。
「地すべり」… 亀裂の発生、樹木の傾き、地面の振動、地鳴りなどが要注意です。
いつもと異なる現象に気づいたら、すぐに避難!
ただし、状況を見ようと崖や斜面に近づくのは危険なので、やめてください。
出典 NHK防災|防災の知恵「土砂災害!“前兆”があったら即避難」

出典 NHK防災|防災の知恵「土砂災害!“前兆”があったら即避難」

土砂災害から身を守るには

大雨の時にどう逃げる

台風・豪雨から「自らの命は自らが守る」基本的な知識ととるべき行動を学びます。
あなたの命、あなたの大切な人の命を守るため、台風・豪雨から「自らの命は自らが守る」基本的な知識ととるべき行動を学ぶことができます。
出典 気象庁eラーニング「大雨の時にどう逃げる」

避難のタイミング

避難のタイミングの基本となるのだ警戒レベルです。警戒レベルは避難のタイミングを示しています。警戒レベル3で危険な場所から高齢者などは避難です。これはお年寄りに限らず障害のある方や小さいお子さんなど避難に時間がかかる人とその支援者は速やかに避難を開始するという意味です。その他の人は避難の準備をしたり自主的に避難するレベルです。
そして警戒レベル4は危険な場所から全員避難です。速やかに危険な場所から安全な場所へ全員避難です。
警戒レベル5はすでに災害が発生している可能性が極めて高いレベルです。そうなる前に避難を完了しておくことが大事です。
出典 気象庁eラーニング「大雨の時どう逃げる」 気象庁eラーニング教材「大雨の時にどう逃げる」~個別教材(避難のタイミング編)~

気象庁eラーニング「大雨の時どう逃げる」 気象庁eラーニング教材「大雨の時にどう逃げる」~個別教材(避難のタイミング編)~

土砂災害から身を守るには

土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。

1.お住まいの場所が、土砂災害警戒区域か確認

土砂災害のおそれのある地区は「土砂災害警戒区域」等とされています。普段から自分の家がこれらの土砂災害のおそれのある地区にあるかどうか、都道府県や国⼟交通省の「ハザードマップポータルサイト」などで確認しましょう。

また、避難の際にどこにどのように逃げるのか知っておくことが大事です。市町村が作成する土砂災害ハザードマップを利用して避難場所や避難経路を確認しましょう。

※ただし、土砂災害警戒区域等でなくても、土砂災害が発生する場合があります。付近に「がけ地」や「小さな沢」があれば注意を。

2.土砂災害警戒情報や雨量の情報に注意

雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。これは、警戒レベル4相当情報であり、市町村が警戒レベル4避難指示を発令する目安となる情報で、災害のおそれが高まっていることを示しています。(警戒レベルについては、内閣府ホームページをご覧ください。)

土砂災害警戒情報は、気象庁ホームページ や各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。都道府県や市町村によっては、携帯電話などに⾃動的に⼟砂災害警戒情報を教えてくれるサービスもあります。

3.警戒レベル4で危険な場所から全員避難

お住まいの地域に⼟砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、自治体からの警戒レベル4避難指⽰の発令に留意し、⼟砂キキクル(⼤⾬警報(⼟砂災害)の危険度分布)などを参考にし、地域内の方々に声をかけあい近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。 特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人や、夜中に大雨が想定される場合は、警戒レベル3高齢者等避難が発令されたタイミング等で早めに避難することがより安全です。

⼟砂災害の多くは⽊造の1階で被災しています。浸水などで避難場所への避難が困難なときは、近くの頑丈な建物の2階以上や、家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に移動しましょう。

普段から避難訓練に参加し避難に慣れていれば避難⾏動を起こしやすくなります。市町村などがおこなう⼟砂災害の避難訓練に参加しましょう。

出典 首相官邸ホームページ

まとめにかえて

台風・豪雨、土砂災害から身を守るためには、基本的な知識を持つことと、的確な避難が必要です。土砂災害はその前兆から発生まで早く起こることがあります。
土砂災害警戒情報など土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)などから自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報を入手することができます。
避難に関する知識として災害リスク、避難先、避難行動、タイミングを事前に知っておくことで、素早い避難行動をとることが出来るようになります。

土砂災害警戒情報とは

土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときに、市町村長の避難指示の発令判断や住民の自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁が共同で発表しています。危険な場所からの避難が必要な警戒レベル4に相当します。土砂災害警戒情報が発表された市町村内で危険度が高まっている詳細な領域は土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)で確認できます。
出典 気象庁|土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)

出典 気象庁|土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)
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