明暗を分けた避難・9月26日 伊勢湾台風

台風
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1959年9月26日に上陸した伊勢湾台風は、日本の災害史において特筆される未曽有の大災害です。特に東海地方を中心に甚大な被害をもたらし、約5,000人の犠牲者が発生しました。この台風を契機に、日本の防災対策の基礎となる「災害対策基本法」が制定されました。被災地では避難のタイミングが生死を分けたと言われ、特に早めの避難が多くの命を救った事例もあります。この記事では、伊勢湾台風を振り返りながら、速やかな避難の重要性とその対策について考えます。

未曾有の高潮がゼロメートル地帯を襲う

1959年(昭和34年)9月26日 伊勢湾台風

出典 内閣府|災害史に学ぶ

伊勢湾台風は、1959(昭和34)年9月26日の18時過ぎに和歌山県潮岬に上陸し、21時半頃名古屋市に最接近した後、日本海に抜けますが、東北地方に再び上陸し、根室沖で温帯低気圧に変わりました。

その間、伊勢湾奥の低平地を泥の海に変え、東海地方を中心に中国・四国地方から北海道までの広い範囲にわたって死者・行方不明者数 5,098 人を出す大災害を引き起こしました。

また、この災害を契機として、今日の我が国の防災対策の原点となっている『災害対策基本法』が制定されるなど、歴史的にも特筆される台風です。

【名古屋市公式】伊勢湾台風の記録(昭和35年制作)

明暗を分けた避難

出典 三重県 レッツ!防災:レッツ!防災~伊勢湾台風 楠町の教訓

伊勢湾台風による愛知・三重両県の被災は沿岸域が中心でしたので、そこから避難さえ出来ていれば犠牲者を大幅に減らすことも出来たはずです。
事実、伊勢湾に面した三重県楠町(当時)は、町内の大半が浸水しながら、1人の犠牲者も出しませんでした。
出典 内閣府|災害史に学ぶ

早めの避難につながる情報

避難が効果を発揮するには『早めの避難』が鉄則です。不幸にして避難が遅れ、また、夜間の停電や暴風雨などが重なるような状況下での避難となっても、単独の避難とならないように日頃から隣近所の人を心配し合える地域の交流(近所付き合い)が大事です。また、『早めの避難』に繋がるよう、住民や現場担当者に発信される情報は、その意味が明確で、適時的確な行動を促す内容になっている必要があります。
出典 内閣府|災害史に学ぶ|1959 伊勢湾台風

速やかな避難をするために

災害時に速やかに避難するためには、事前に自分が住む地域の災害リスクや避難場所、安全な避難経路などを確認しておくことが大切です。また、市町村からの避難情報が発令された場合には、テレビやラジオ、インターネットなどのほか、防災行政無線や広報車などで伝えられます。

避難情報はどのように伝えられるのか?

市町村から避難情報が発令された場合には、テレビやラジオ、インターネットなどのほか、防災行政無線や広報車などで伝えられます。
出典 首相官邸ホームページ

どの警戒レベルでどう行動すればいいの?

「警戒レベル3高齢者等避難」が出されたら、高齢の方や障がいのある方など避難に時間のかかる方やその支援者の方は危険な場所から避難し、それ以外の人は避難の準備をすること。
そして、「警戒レベル4避難指示」が出されたら、危険な場所から全員避難することです。
出典 首相官邸ホームページ

出典 首相官邸ホームページ どの警戒レベルでどう行動すればいいの?

まとめにかえて

災害時に速やかに避難するためには、事前に自分が住む地域の災害リスクや避難場所、安全な避難経路などを心得ておき何をするべきかを事前に考えておく必要があります。

災害、その時あなたは何をすべきか#3「伊勢湾台風と防災対策」

伊勢湾台風の襲来から今年で60年になる。伊勢湾台風は東海三県に大きな被害をもたらした。台風による犠牲者の数は明治以降最大の5,098人、岐阜県は104人であった。地震や津波以外の自然災害の中では、最も多くの被害者を出した台風となっていて、わが国の災害対策の在り方を考えるきっかけになった。
出典 ぎふチャン公式チャンネル

今後の台風に対する防災対策
「伊勢湾台風当時ですが、特にですね避難が早く完了したという自治体においてですね 死者が特に少なかったというそんなデータがあるですね。そういったことからも素早く避難するということが大事になってくるということになります。」

ぎふチャン公式チャンネル 災害、その時あなたは何をすべきか#3「伊勢湾台風と防災対策」(2019.9.18放送)
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