1716年11月9日(享保元年9月26日)、霧島山(新燃岳)で大規模な噴火が発生しました。この噴火は江戸時代中期の「享保噴火」の始まりで、火山灰や噴出物が周囲の耕地に厚く積もり、農作物にも大きな影響を及ぼしました。当時、この地域の住民は一時的に避難を余儀なくされ、自然災害の厳しさを改めて感じさせる出来事となりました。この記事では、過去の噴火を振り返り、現在における防災意識の重要性について考えます。
江戸時代中期の大噴火
1716年11月9日(享保元年9月26日) 霧島山(新燃岳)大噴火
宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山(新燃岳)で大噴火が発生した。これが翌年にかけて続いた「享保噴火」の最初の大噴火となり、一連の噴火による噴出物で、周辺の耕地は10~20cmほど埋まったとされています。
江戸時代中期の享保元年9月26日(1716年11月9日)、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山(新燃岳)で大噴火が発生し、これが翌年にかけて続いた「享保噴火」の最初の大噴火となりました。
過去にもあった大噴火
霧島山(新燃岳)の噴火(平成23年1月)
過去にもあった大噴火
~また住めなくなるのかも・・・~(高原町 30代 男性 役場職員)
新燃岳は300年前にも大噴火を起こしていて、その時にはこの地域から2年間も人が離れたんです。だから、最初の噴火で町に灰が積もったのを見た時は、もう終わりだと思いました。車が行き来するたびに灰が舞い上がり、太陽が出ているのに外はどんよりと薄暗く、信号は見えても、道路のセンターラインは確認できず・・・・・・。こんなことになってしまった故郷を前にして自然と涙が出ました。
技術も発達し、交通網も整備され安定した生活が送れていますけど、自然の力を前にしたら人間は無力なんだと痛感しましたよ。
災害が起こった時は、自分の命は自分で守らないと仕方がないんですね。噴火もそうだし、東日本の震災もあって物の見方がガラリと変わりました。
大規模な噴火こそ起こらないけれども、まだ依然として活動を続けているわけですから、もし最悪の場合が起こったときは住めなくなるかもしれない。そんな覚悟で生活していますよ。
出典 内閣府ホームページ|一日前プロジェクト
火山防災マップ
火山災害の要因となる火砕流や溶岩流、火山泥流、噴石、火山灰などの影響範囲は、火山防災マップ上に示されています。火山周辺に住んでいる人や登山者、観光客などに対して、火山噴火の現象や被害想定範囲、避難方法などをみることができます。
霧島山火山防災マップ
自然災害には、台風、大雨、地震、火山等様々な災害がありますが、今回5市2町で構成する環霧島会議において、霧島火山の噴火に伴う危険から地域住民の生命、身体及び財産を保護し、被害の軽減を図るため、噴火時における現象や危険性を分かりやすく表現した「霧島火山防災マップ」が作成されました。
出典 霧島市|霧島山火山防災マップ
火山災害対応型防災マップの特徴
火山災害に注意が必要な地域では、 噴火口 、 水蒸気爆発 、 火山ガス等の発生 、 溶岩流・火砕流 、 土石流・泥流等の流下 、 噴出岩塊 、 火山灰 、 軽石の降下 等について、過去の災害実績や噴出物分布等から影響範囲をあらかじめ地図上で把握しておく必要があります。
また、火山災害から安全を確保するための 火山噴火時避難所(退避舎・退避壕) 、海岸部では船舶で避難するための 避難港 、火山情報や避難命令等を広報する 非常警報施設 (防災行政無線拡声子局)等もあらかじめ地図上で把握しておく必要があります。
出典 内閣府防災情報のページ
火山災害の時はどのように行動したらいいか?
火山災害時は事前の迅速な避難が、人的被害の有無を大きく左右します。
1.火山防災マップを見て、噴火警戒レベルに対応する危険な場所を確認しておきましょう
2.あらかじめ、避難場所や避難経路を確認しておきましょう
3.気象庁が発表する噴火警報・噴火警戒レベル等に留意しましょう
4.噴火の恐れがある場合には、「警戒が必要な範囲」から事前の避難が必要です。地元の市町村の指示があった場合には、それに従いましょう。
出典 首相官邸ホームページより
「火山噴火に備える」特徴、リスク、避難行動をまとめて知る
日本列島にある活火山は富士山も含め111。噴火による火山灰、噴石、火砕流、溶岩流。「いざ」という時に身を守るには?あなたの近くにある火山の特徴やリスクを知ることから備えが始まります。火山関連の特集記事をまとめています。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
- 全国111活火山 生活空間のすぐそばに
- 火山噴火 その時どうする?
- 富士山大噴火 降灰シミュレーション (2019.04.08)
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- 「ぼくは被災者だった」(2020.10.12)
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- 東京で噴火 その時、どうする…(2018.11.29)
まとめにかえて
今は観光や温泉などが楽しめる火山も、噴火することがあることを心得ておく必要があります。噴火が発生した時、噴火発生を知らせる「噴火速報」や「噴火警報」が発表され、「噴石」「火砕流」「火山灰」「土石流」「溶岩流」から、どうすれば身の安全が守れるのかを知っておくことは大事です。
火山防災ポータル
日本は世界有数の火山国です。
日本には100を超える活火山があり、このうち約3割が日本百名山に選ばれています。火山防災のために十分な安全対策を講じましょう。
出典 内閣府防災情報のページ|火山対策