2006年11月7日、北海道佐呂間町で発生した竜巻は、多くの建物を破壊し、飛散物が20km先のオホーツク海まで到達するほどの被害をもたらしました。竜巻は予測が難しく、建物の被害を防ぐことは難しいですが、適切な対応を取ることで命を守ることができます。本記事では、竜巻が接近した際の特徴や、どのようにして身を守るべきかについて解説しています。竜巻発生時にどのように行動すればよいのか、確認しておくことが大事です。
オホーツク海に竜巻の飛散物
2006年(平成18年)11月7日 北海道佐呂間町竜巻災害
北海道のオホーツク海側にある佐呂間町で竜巻が発生し、トンネル工事の事務所兼宿泊所を直撃しました。
竜巻にあおられた飛散物は、20km先のオホーツク海でも発見されました。
竜巻は事前に予想するのは難しい災害です。そして竜巻が発生して注意が必要なのは、限られた地域になります。竜巻が身近に迫った時、どうするかを前もって心得ておくことは身の安全を図る上で大事です。
竜巻が身近に迫った時の行動
「竜巻注意情報」は天気予報と同じ地域単位で発表されますが、実際に竜巻に対する注意が必要なのは、その中でも発達した積乱雲の近くにいる人だけです。
「竜巻注意情報」が発表されたからといってすぐに避難が必要なわけではありません。「竜巻注意情報」が発表されたら、まず空を見てください。周りの天気が次のように変わってきている場合には積乱雲が近づいているので、ただちに頑丈な建物に移動するなどの安全確保が必要です。
出典 政府広報オンライン
竜巻の時はどのように行動したらいいか?
竜巻が発生したときには、建物などの被害は防げませんが、身の安全を守ることはできます。
屋外にいる場合は頑丈な建物などに避難し、屋内にいても窓ガラスには近づかず、一階の丈夫な机の下などで身を小さくして頭を守ってください。
出典 首相官邸ホームページ
竜巻が身近に迫ったときの特徴
竜巻に遭遇した人からは次のよう声を聞きます。このような場合には、あなたの身に危険が迫っています。
◇ 雲の底から地上に伸びる漏斗状の雲を見た。
◇ 飛散物が筒状に舞い上がるのを見た。
◇ ゴーという音がしたのでいつもと違うと感じた。
◇ 気圧の変化で耳に異常を感じた。
出典 気象庁ホームページ
急な気温の変化は何かが起こる前の予兆
館林市の竜巻(平成21年7月)
急な気温の変化は何かが起こる前の予兆と心にとどめる
館林市 50代 男性 会社経営
館林は、夏は最高気温40.0℃を記録する地域として、毎年マスコミにも取り上げられるほど全国的に有名になりました。ですが、実際には災害の少ない地域としても知られています。これまで、地震や台風の被害もありません。
竜巻の起こった日は昼過ぎにぽつぽつと雨が降り出し、少ししてから強い風が吹き始めたのを覚えています。今思い起こしても、何の前触れもない夏の日の午後だったと思います。ただ思い返せば、竜巻の発生した日、あの日の朝の天気予報では「突風注意」と表示されていました。しかし、上州(じょうしゅう)は「からっ風」でも有名なところで、だれもが「風」には慣れっこになっている。そのせいか、だれもが大して気にもとめなかったのだと思います。
竜巻の発生前には、真夏であっても急に気温が下がり、涼しさと空気が止まったような静けさを感じたのを覚えています。あれが前触れだったといえるのでしょう。あの朝、前橋気象台が出した情報にもう少し注意していれば被害を軽減できたかもしれない。これも結果論ですが、自然災害の脅威に私たちはもう少し敏感でなければならないと思います。
竜巻が身近に迫った時や遭遇した時にどうするかを知っておくことは、いざという時に身を守る行動をとる上で有益です。
竜巻から身を守るには
竜巻に遭遇! 命を守ったポイントは?
ひとたび起これば、建物をいとも簡単に破壊してしまう竜巻。
国内でも毎年発生し、大きな被害をもたらしています。しかし、的確な判断で竜巻から身を守った人たちがいます。
命を守ったポイントとは何だったのでしょうか。
出典 NHK防災
急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!
映像は、発達した積乱雲による被害に遭うまでを示した「被害編」と、被害を回避するポイントを示した「解説編」に分かれており、それぞれ字幕の有無により3種類の動画を用意しております。
出典 気象庁
これはあぶない!被害編
積乱雲が近づいてきたサインに気づかなかったことや、自然現象の恐ろしさに対する油断があったことが原因で、子どもたちが次々に災害に遭います。視聴することで、なぜ映像の子どもたちは危険な目にあってしまったのかを考えるきっかけを提供します。
出典 気象庁
これなら安全!解説編
被害編と同じドラマをもう一度展開しながら、積乱雲が近づいてきたサインがどこにあったのか、どうすれば身を守れるのかをCGキャラクターの博士がわかりやすく解説します。
出典 気象庁
まとめにかえて
竜巻の恐ろしさは、巻き上げられた瓦(かわら)や看板などが猛スピードで飛んでくることです。こうした飛散物に当たると、命を落としたり重軽傷を負ったりします。
竜巻が起きそうな時は屋外にはいないで、屋内の安全な場所にいる等竜巻から身を守ることが必要です。
竜巻から身を守るためには?
- 頑丈な建物の中に早めに避難する。
- 物置や車庫、プレハブは建物ごと壊される危険があるため、離れる。
- 窓ガラスから遠く離れる。
- 一般の住宅では雨戸、窓やカーテンを閉め、窓のない部屋に移動する。
- 丈夫な机やテーブルの下に入って身を守る。
- 屋外にいて周辺に身を守る建物がない場合は、水路などくぼんだところに身を伏せる。
- 両腕で頭や首を守る。
出典 政府広報オンライン