地震と津波そして液状化が一緒に起きることを想定してみる・9月28日 インドネシア・スラウェシ島地震

インドネシア 地震
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2018年9月28日にインドネシア・スラウェシ島で発生したマグニチュード7.5の地震は、津波と液状化現象を引き起こし、甚大な被害をもたらしました。内陸で発生したにもかかわらず、最大6mに達する津波が沿岸部を襲い、約3,300人が死亡・行方不明となり、約68,000棟の家屋が倒壊しました。さらに、パル市では広範囲にわたる液状化現象が発生し、被害を一層深刻なものにしました。この災害は、地震に加え、津波や液状化現象への警戒が重要であることを改めて示しています。

地震と津波そして液状化現象の発生

2018年(平成30年)9月28日 インドネシア・スラウェシ島地震

Googleマップ インドネシア・スラウェシ

インドネシア・スラウェシ島中部を震源とするマグニチュード7.5の地震が発生。震源は内陸だったものの津波が発生し、震源に近いドンガラ県や湾の奥に位置するパル市などでは最大6mの津波が観測されました。

地震と津波そして液状化現象の発生

この地震と津波の影響で、死者・行方不明者が約3,300人、負傷者が約10,500人、家屋倒壊が約68,000棟、避難者が約206,000人の甚大な被害が生じました。津波の発生については、地震による断層の破壊が海域まで及んでいたことに加えて地滑りとの関係も指摘されています。
また、パル市では津波の被害に加えて、広範囲での液状化現象の発生もあり、こちらも被害拡大の一因となりました。

出典 毎日新聞|液状化泥流4キロに 想像絶する破壊力 液状化現象による壊滅的な被害が出たバラロア地区の住宅街=中スラウェシ州パルで2018年10月12日、小泉大士撮影

地震、津波、液状化現象が一緒に起こる

地震が起きた時には津波にも注意が必要ですが、液状化現象も起こる場合があります。つまり地震と津波、液状化現象は一緒に発生することが考えられます。事前にその時どうなるかを想定しておくことは、いざという時に命を守る行動をとる上で有益です。

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街中で地震が起きた場合、身を守るためにあなたならどのような行動をしますか?
出典 東京消防庁公式チャンネル

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津波ではどのような災害が起こるのか?

地震によって発生する津波の全てを正確に予測する事はできず、人的被害を免れた多くの例は、可能な限り早く高くへ逃げるという津波襲来時の避難の原則に従ったケースでした。東日本大震災では、押し寄せる津波が当初予測された数値よりも遙かに高い例が多くありました。
出典 首相官邸ホームページ

ANNnewsCH インドネシア・スラウェシ島 M7.5地震 津波観測(18/09/29)

液状化に伴う地滑りの様子

インドネシア中スラウェシ州パル市で起きた液状化に伴う地滑りの様子。人工衛星で撮影された画像をもとに国家災害対策庁が公開した。(インドネシア国家災害対策庁提供)【時事通信ジャカルタ支局】
出典 時事通信映像センター

時事通信映像センター 「日本でも起き得る」液状化で地滑りする大地=インドネシア地震

防災意識を持つこと

地震はいつ起こるを前もって知るのは難しい災害です。普段から地震への備えを心がけることが大切です。地震が起きた時、何が起きるかを想像し地域のリスクを理解して、避難場所や避難経路を確認しておくことが大事です。

防災を学ぶ必要性を考える

もし地震が起きる前の自分に声をかけるなら、西城さんはこう答えました。「もっと今起きてることに興味を持つべきだったなとは思います。当時あの地震は経験したんですけど、津波は見てなくてなんか水もこうじわじわ上がってきたからすごい怖かったんですけども、危機感っていうのがそれほど高くなかったし、小さかったのもあって実感も湧いてなかった。もっと自分で今何が起きてるのかとか、大人の人ともうちょっと話せばよかったなっていうのは今思います。」
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|防災を学ぶ必要性を考える

総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|防災を学ぶ必要性を考える

日本でも東日本大震災で地震や津波、液状化等が同時に発生しました。災害が起きた時、自分で今何が起きてるのかを理解し、前もって周りの人とその時どう行動するかを話しておくことは防災に取り組む上で有益です。

まとめにかえて

インドネシア・スラウェシ島地震は、地震、津波、液状化現象によって多大な被害をもたらしました。このような状況に遭遇した場合、以下のような点に留意し災害に備えることが重要です。

安全な場所へ移動する

地震が発生した場合、建物内にいる場合は、窓やガラスの近くから離れ、机やテーブルの下に隠れることが推奨されます。津波が発生した場合は、高台や建物の屋上に避難することが必要です。液状化現象が発生した場合は、建物内にいる場合は、建物の外へ出ることが望ましいです。

情報収集

緊急時には正確な情報を収集することが重要です。ラジオやテレビ、インターネットなどを通じて情報を収集しましょう。

救助要請

緊急時には救助要請を行うことが必要です。救助隊や警察、消防署などに連絡しましょう。

備蓄品の確認

緊急時には備蓄品を確認することが重要です。食料や水、医薬品などを備蓄しておくことで、緊急時に備えることができます。

安否確認

緊急時には家族や友人の安否確認を行うことが必要です。連絡手段が不通である場合は、避難所や自治体の拠点などで情報収集を行いましょう。

”備えあれば憂いなし”と言われています。いざという時には、備えた分だけ憂いが少なくなる”減災”の考え方が必要です。

備えたことしか、役には立たなかった ~ある官僚の震災~

大きな揺れ、迫り来る大津波。状況の把握もままならない中での初動対応。がれきに遺体が残る中での道路啓開「くしの歯作戦」。遺体を埋葬するための「ひつぎ」の確保…。

「備えたことしか、役には立たなかった」

あの日、経験なき大災害に直面しながら数々の判断を迫られた、ある官僚の告白です。
(社会部災害担当記者 清木まりあ)
出典 NHK|災害列島 命を守る 情報サイト

出典 NHK|災害列島 命を守る 情報サイト