1947年9月15日、カスリーン台風によって関東地方では利根川と荒川の堤防が決壊し、東京の下町低地が広範囲にわたって浸水しました。このような大規模な水害は、今日でも日本各地で頻繁に発生しており、私たちの生活に深刻な影響を与えています。水害から身を守るためには、国や自治体の公助だけでなく、個々の備え(自助)や地域の水防団による共助が欠かせません。水防活動の重要性と家庭でできる備えを知っておくことは水害への備えを考える上で有益です。
東京の下町低地一帯が広範囲にわたり浸水
1947年(昭和22年)9月15日 カスリーン台風
カスリーン台風が関東地方に接近し、関東地方では利根川と荒川で堤防が決壊しました。特に利根川では、埼玉県加須市付近での決壊による氾濫流が元の利根川の流路に沿って南下し、東京の下町低地一帯が広範囲にわたり浸水しました。
雨が多い日本では、毎年、全国のどこかで大雨による河川の氾濫などで、個人の住宅や資産、公共施設などに損害を与え、時には人命を奪う「水害」が起こっています。
水害による被害を少なくするために重要なのが、国や自治体などの行政(公助)と、住民一人ひとりの取組(自助)、そして「水防(消防)団」を核とした地域住民による「水防活動」(共助)です。
水害から身を守る
いざ!という時~水害から自らを守るために 水防を知ろう!
水害の発生を警戒したり、土のうなどで水が溢れるのを防ぐことを「水防」と呼びます。河川の洪水や高潮などによる氾濫や、そのおそれがある時に、地域の水防団員などが中心となって、様々な専門技術を駆使し、水防活動を行います。また、地域の水防力の向上を図るため、全国各地で水防訓練が実施されています。
家庭ではどんな備えが必要?
(1)「ハザードマップ」で家や地域の水害リスクを知る
(2)避難場所、避難経路を事前に確認する
(3)非常時の持ち出し品を事前に準備する
(4)家族が離れているときの安全確認の方法を決めておく
水害のおそれがあるとき、避難の注意点は?
(1)気象情報や河川情報などに注意する
(2)自治体から避難勧告が発令されたら早めに避難
(3)避難行動は浸水前に
(4)避難時は隣近所に声をかけて集団で行動を
(5)車での避難は危険
(6)橋や川の近くは危険
出展 政府広報オンライン 河川の氾濫や高潮、都市型水害など、水害からあなたの地域を守る、「水防」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
まとめにかえて
カスリーン台風の氾濫区域は、現在では首都圏として土地利用が高度化され、人口や資産が集中しています。カスリーン台風と同じような氾濫を想定すると、流れ方向は当時とほぼ同様ですが、その後の地盤沈下によって浸水の深さは大きくなり、路面舗装などの都市化の影響で氾濫流の浸水範囲は広がります。また、市街地では道路に氾濫流が集中して水流も速くなります。そして、地下空間の利用が進んだ都市部では、電力、情報通信などのインフラ基盤の被害とともに、地下鉄や商業施設のある地下空間が浸水することで甚大な被害が予想されます。
出典 災害史に学ぶ|1947 カスリーン台風|災害からの教訓
カスリーン台風と葛飾区
昭和22年9月に、葛飾区の水害史上、最も大きな被害を与えた「カスリーン台風」の記録を、当時の記録映像とともに振り返ります。
そして、もし、現在の葛飾区にカスリーン台風が襲来したらどうなるのかを考えます。
出典 citykatsushika|カスリーン台風と葛飾区