土砂災害で事前に知っておくべき 防災のポイントと避難について・7月10日 針原川土石流災害

土砂災害
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土砂災害では砂防ダムがある場所でも、安心してはいけない理由を知っていますか?1997年(平成9年)7月10日に起きた針原川土石流災害が、その一つの警鐘となっています。砂防ダムは、土砂災害から身を守るための施設の一つですが、その限界も理解しておくべきでしょう。
土砂災害から身を守るためには、押さえておくポイントを知っておくことが重要です。また、住んでいる地域が「土砂災害警戒区域」かどうかを確認することも大切です。
防災意識を持ち、適切な避難方法を把握することで、災害に対する備えが整います。

砂防ダムがあっても油断しない

1997年(平成9年)7月10日 針原川土石流災害

出典 出水市消防本部ホームページ

平成9年7月7日から9日にかけて鹿児島県出水市では降雨が続き、その影響で、針原川の上流部から、多量の水を含んだ崩土が流下し、砂防ダムから越流した土砂は土石流化して、10日午前0時44分頃に針原地区へ氾濫・堆積しました。
出典 国土交通省 防災情報のページ |災害対応資料集

砂防ダムとは

砂防ダムは砂防堰堤とも言われ、洪水や土石流などの災害から人々を守るために作られたダムです。
土砂が貯まることによって川底が削られるのを防ぎ、川底が上がることで山くずれを防止します。
参照 国土交通省 黒部河川事務所ホームページ

出典 国土交通省 黒部河川事務所ホームページ

土砂災害から身を守るために

土砂災害から身を守るために知っておきたい3つのポイント

土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。

  •  住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認
  • 雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意
  • 警戒レベル4で全員避難

出典 政府広報オンライン

土砂災害、あなたの家は大丈夫?

大雨の季節、特に気をつけたいのが土砂災害です。発生すれば、一瞬にして多くの命や財産を奪ってしまいます。全国47都道府県のすべてで発生し、その件数は年々増加、多い年には年間3000件を超えています。近年は都市の中で起きる土砂災害の危険性が指摘されています。私たちの足元で何が起きているのか?その対策を一緒に考えます。
出典 NHK防災

出典 NHK防災

避難の方法

土砂災害が発生する可能性がある場合、迅速かつ安全に避難する方法を事前に知っておくことが非常に重要です。

避難情報の入手

避難の際にまず重要なのは、避難情報を確実に受け取ることです。気象庁や市町村から発表される避難勧告や避難指示に従い、速やかに行動することが求められます。情報が正確かつ迅速に伝わるよう、防災ラジオやインターネット、携帯電話の緊急速報メールなどを活用して、常に最新の情報を受け取る体制を整えておきましょう。

避難経路と避難場所の確認

次に、事前に避難経路と避難場所を確認しておくことが重要です。地元の防災マップを入手し、家族全員で避難場所や避難経路を確認しておきます。特に斜面や川の近くを避ける安全なルートを選び、その経路を事前に歩いてみることで、避難の際に迷わずに行動できるようになります。

避難を開始するときは、以下のポイントを守ることが求められます:

最低限の荷物で避難

: 素早く行動するために、非常持ち出し袋を準備しておき、必要最低限のものだけを持って避難します。飲料水、非常食、医薬品、現金、携帯電話の充電器など、避難生活に必要なものを揃えておくことが重要です。

安全な避難経路を選択

: 落石や土砂流れが発生する可能性のある経路は避け、安全とされているルートを選んで避難します。途中で危険を感じた場合は、無理をせずにその場で安全を確保できる場所を見つけることが大切です。

家族や近隣住民と連携

: 家族全員が同時に避難できるように計画を立てておき、近隣住民とも連携を図ります。特に高齢者や子供、体の不自由な人がいる場合には、周囲の協力が必要となることを理解しておきます。

土砂災害は突然発生することが多いため、事前の準備が安全な避難につながります。普段から避難計画を練っておき、緊急時に備えて適切な行動を取ることが重要です。

災害時の連絡方法や避難場所の確認

地震だけでなく、台風、土砂、火山など避難を必要とする災害において、通信や交通などのライフラインが寸断され、安否の確認もままなりません。
あらかじめ家族がバラバラになった時の避難場所や連絡方法を確認しておきましょう。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|事前の備えチェック

総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|事前の備えチェック

まとめにかえて

砂防ダムがある場所は、土石流災害が発生する可能性がある地域です。そうした地域では砂防ダムあっても、土石流に備えておくことが必要です。

いざ避難が必要になった時どこにどうやって逃げるのかを事前に家族で心得ておくことは防災に取り組む上で大事です。

平成16年台風第23号(平成16年10月)

いきなり「逃げろ」といわれても、どうしていいかわからない

(福知山市 60代 男性)

ほとんどの人が火災のときぐらいしかサイレンを聞いていないので、サイレンを鳴らしても、漠然と水が出ているらしいということはわかっても、どういう状況かは理解できていないのです。

だから、「雨が強く降っていますよ」、「水が異常に増えていますよ」、「消防団が警戒を始めましたよ」、「一部の方が避難しましたよ」、「どんどん水が増えていますよ」、「山崩れも起きましたよ」というお知らせの後に、「逃げなさい」言うたら初めて逃げる。

いきなり「逃げろ」と言われて、逃げる者はやっぱりいないなと思いました。これは非常に大きな反省点です。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト