今は観光地として知られる昭和新山ですが、その誕生は畑からの突然の噴火によって始まりました。1944年6月23日、北海道の有珠山山麓で起きた火山活動は、わずか2年ほどで山を形成し、現在の「昭和新山」として姿を現しました。火山災害と自然の力の両面を見つめ直すきっかけとなる、この歴史を振り返ります。
国の「特別天然記念物」
1944年(昭和19年)6月23日 昭和新山噴火開始

昭和新山は有珠山山麓の畑から噴火が始まり、次第に隆起していったものであり、翌1945年(昭和20年)にかけて溶岩ドームが生成され、「昭和新山」と名付けられました。

国の「特別天然記念物」「日本の地質百選」
昭和新山は支笏洞爺国立公園内にあり、国の「特別天然記念物」に指定されています。
また、有珠山とともに「日本の地質百選」に選定され、周辺地域が洞爺湖有珠山ジオパークとして「日本ジオパーク」「世界ジオパーク」に認定されています。
観光スポットの昭和新山

現在は観光スポットになっている昭和新山は、昭和18年の噴火活動で麦畑が隆起してできました。
火山の噴火は災害でもありますが、うまく関わることで自然の恵みとすることもできるといえます。日本は各種の災害がある国ですが、同時に豊かな自然がある国でもあると言えます。
噴火と防災
火山による災害と防災
地震とともに大きな災害をもたらすのが火山の噴火です。北海道の有珠山や富士山などの過去の事例をみながら、火山による災害にどのようなものがあるのか、また災害を減らす工夫について学んでいきます。「火山災害」「噴火予知と防災」「ハザードマップ」がキーワードです。
出典 NHK|火山による災害と防災

火山災害から身を守ろう

- 「火山防災マップ」という各市町村で作っている地図を見て、「噴火警戒レベル」に対応する危険な場所を確認しておきましょう。
- あらかじめ、避難する場所や、そこまでの道順を確認しておきましょう。
- 気象庁の発表する「噴火警報」などの情報や、「噴火警戒レベル」に注意しましょう。
- 噴火のおそれがある場合には、危険な地域では事前の避難が必要です。地元の市町村の指示があった場合には、それに従いましょう。
出典 気象庁

まとめにかえて
火山の噴火から命を守るには、いち早く避難することが必要です。今は観光スポットとなっている場所も、過去に火山活動があったことを知っておくことも大事です。
いざという時の為に前もって心構えを持っておくことは防災に取り組む上で有益です。
火山防災に関する普及啓発映像資料(内閣府)
これらの映像は登山者及び避難促進施設(火山付近の集約施設等)における火山防災対策の普及・啓発を目的として、過去の災害記録映像等をもとに内閣府が作成したものです。
出典 内閣府防災情報のページ
火山防災エキスパート講話集「火山災害対応から いま伝えたいこと」

出典 TEAM防災|ジャパン