家具の転倒や家電により負傷
1995年1月17日 阪神・淡路大震災
平成7年(1995年)1月17日05時46分、淡路島北部の北緯34度36分、東経135度02分、深さ16キロメートルを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。
家具の固定や転倒防止
阪神淡路大震災は1月の早朝におき、多くの人は家におり室中で被災しました。そのため家具の転倒やテレビ等の家電により負傷、死亡されたり、迅速な避難ができないことが起きました。
その経験をもとに家具の固定や転倒防止が、各自の地震対策として重要です。
阪神・淡路大震災(平成7年1月)
妻が家具の下敷き
~「あんたが上に乗ってたん?」の冗談でほっと~(淡路市 50代 男性)
前の日は普通どおり商売して、午前2時ぐらいに寝たんかな。で、小さく揺れかけたような気がして目が覚めて、「地震や」言うて、布団の上に座ったとたん、ミシミシ、バリバリ言い出したから、「これはもうあかんで」と思ったとたん、タンスが全部倒れてきました。
女房に、「どないや」と声をかけたら、タンスの下から「大丈夫」と言う返事。「ほな、じっとしとけよ。おふくろ見てくるさかい」と言って、家を飛び出しました。
おふくろは、「お参りして、今、帰ってきたとこや」と言いながら、仏壇の前で一生懸命拝んでいるところでした。その日に限って早く帰ってきたということでしたが、もし、帰る途中に地震に遭っていたら、家々が倒れてきたので大変なことになっていたと思います。
おふくろの無事を確認できたので、すぐに家に引き返しました。なんだか痛いなと思ったら、頭から血が出ていました。手もはれていましたが、どこでどうしたのかはまったく分かりませんでした。
部屋に戻って、重たいタンスをやっとの思いで動かして、下敷きになっていた女房を引っ張り出しました。「どうもないか?」と声をかけたら、「どうもないわ。あんたが上に乗ってたのかと思っとった」と冗談言ってくれたので、ホッとしました。
出典 内閣府防災情報のページ
地震による家具の転倒を防ぐには
阪神・淡路大震災に見る家具転倒の状況
負傷者は4万3千人を数え、そのなかには建物に特別な被害がないにもかかわらず、家具の転倒や散乱によって、逃げ遅れたり室内でケガを負った方も多数含まれています。これは、室内に家具や電化製品などを多く置くようになった近年の住宅事情によると思われます。
出典 総務省消防庁|地震による家具の転倒を防ぐには|「家具が倒れると逃げ道まで塞がれて恐いね」
地震による家具の転倒を防ぐには
わが家の耐震性チェック
恐ろしい大地震! そのとき、あなたと家族を守るのは住み慣れた「わが家」のはずです。
ところが、1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災では、なんと約10万5,000棟の建物が全壊し、半壊も約14万4,000棟に及びました。
死者は6,400人を超え、負傷者は4万4,000人近くにものぼっています。それも、震災直後に亡くなった方の約8割が、家屋の倒壊などによる圧死や窒息死であったといわれています。わが家が凶器となったのです。
もちろん法規に適合し、しっかりした地盤に常識的な工法によって建てられたものは、思いのほか丈夫なものです。
住まいの耐震性を知り、適切な耐震改修を行うことは、大切な家族の命を守ることにほかなりません。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|わが家の耐震性チェック
わが家の耐震性チェック
さあ、いよいよわが家が地震に対して安全かどうか、確認していきましょう。
財団法人 日本建築防災協会発行の「わが家の耐震診断と補強方法」に基づいて、次の項目について木造住宅を点検していきます。すなわち、
- 宅地の地盤、
- 基礎、
- 建物の形、
- 壁の配置、
- 筋かい、
- 壁の割合、
- 老朽度
以上の7項目です。
この耐震診断は、過去の地震被害・災害研究の成果や、建築基準法の耐震規定などをもとに作られています。専門的な知識がなくても、簡単に診断できますのでぜひわが家を採点してみて下さい。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|わが家の耐震性チェック
まとめにかえて
地震はいつ起きるか正確な予想が、難しい災害と言えます。建物が無事でも、家具が転倒するとその下敷きになってケガをしたり、室内が散乱状態のために延焼火災から避難が遅れてしまうなど、居住者被害も大きくなることもあります。
災害に備えるために各自が行う地震対策として、家具の固定や転倒防止が有効となります。