1983年から1984年にかけて発生した昭和59年豪雪では、日本各地で大雪による被害が広がり、特に東京や横浜といった都市部でも記録的な積雪が観測されました。このような大雪災害に対して、事前の準備や適切な対応が必要であることを改めて認識することが大切です。具体的には、屋根雪の注意点や雪害を防ぐための対策等について考察します。
東京で積雪22cm
1983年(昭和58年)1月19日 昭和59年豪雪
1983年(昭和58年)12月~1984年(昭和59年)3月にかけて大雪災害が発生しました。日本海側でも最深積雪が上越市高田(新潟県)で2m39cm、鳥取市で95cmに達しましたが、このシーズンは南岸低気圧の影響で太平洋側でも大雪になったことが特徴で、東京都心のこの冬シーズンの降雪日数は29日に達し、これは現在に至るまで観測史上最多でした。また、最深積雪は東京都心で22cm(1月19日)、横浜市で27cm(2月18日)を記録しました。
近年の大雪災害
戦後の主な大雪としては、「昭和38年1月豪雪」、「平成18年豪雪」のほか、戦後2番目に犠牲者が多い昭和55年度の大雪や、その次に犠牲者が多い昭和58年度の大雪がありました。そして近年では、平成22年度、23年度と記録的な大雪が続き、22年度は、死者131名、重傷者636名、また、23年度は、死者134名、重傷者883名と、多くの人的被害が生じました。
恒常的な降積雪に見舞われる豪雪地帯では、屋根や道路等の除雪は必須ですが、除雪作業中には、屋根から転落する、屋根からの落雪に埋まる、除雪機に巻き込まれる、水路に転落するなど、様々な原因で死亡事故が発生しています。
出典 内閣府防災情報のページ|特集 大雪に備える
雪害対策について
日本国土の半分以上が豪雪地帯にあたり、総人口の15%がこの地域に住んでいます。雪の多い地域では様々な雪の事故が起こっています。また近年、雪の降らない地域であっても、一時的な寒波によって降り積もった雪で大規模な交通障害が起こっています。
出典 防災科学研究所 氷雪防災研究センター
雪害を防ぐ
屋根雪事故を防ぐための注意点
- 屋根から落ちないように注意
- 落雪にぶつかったり埋まったりしないように注意
出典 防災科研 雪氷防災研究センター
雪おろシグナル
雪氷災害によって毎年100名前後の犠牲者が出ており、そのうち半数以上が屋根雪に関わる事故によります。屋根雪事故を軽減するためには、的確な時期に雪おろしを行うことが大切です。
出典 防災科研 雪氷防災研究センター
まとめにかえて
雪害は季節と地域が限定される災害といえますが、想定外の地域で起こる場合もあります。その際の心構えを持っておくことは、いざという時に慌てないで対応することができます。
大雪が予想されるときは、気象情報や周囲の状況に注意し、異変や不安を感じた場合にはすぐに身の安全を図る行動をとることが大事です。
「顕著な大雪に関する気象情報」とは?どう行動する?
通称「顕著雪(ケンチョユキ)」などとも呼ばれる「顕著な大雪に関する気象情報」。急激に雪の量が増えた時に発表される、とても怖い情報です。大規模な車の立往生の危険も。どんな情報なのか、どう行動すべきなのか、まとめました。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイ