1755年に発生したリスボン大地震は、ポルトガル全土に甚大な被害をもたらしました。この地震の震源は大西洋の海底で、マグニチュード8.5〜9.0の規模と推定されており、津波や火災がリスボン市内を襲いました。特に、30メートルにも及ぶ津波や6日間続いた火災により、リスボン市の85%の建物が崩壊し、9万人の死者を出す大惨事となりました。この歴史的災害は、東日本大震災と同様に、都市部に起こる巨大地震の恐怖を再認識させ、防災の重要性を考える契機となります。
地震による津波や火災
1755年11月1日 ポルトガル・リスボン大地震
ポルトガルの西南西200kmの大西洋を震源とする、マグニチュード8.5~9.0相当といわれる巨大な地震が発生しました。
大航海時代に隆盛を極めたポルトガルの首都・リスボンの被害が特に大きく、最大30mもの高さの津波や、6日間続いた火災の影響で、死者90,000人、当時のリスボン市内の85%ともいわれる建物倒壊の被害を出しました。
地震による津波や火災
この地震による津波や火災などの被害もあわせると、リスボン市内だけで約1万人が死亡したとされています。この地震は、当時のポルトガルにとっては大災害であり、ヨーロッパ全体にも大きな影響を与えました。
大地震から「失われた250年」をたどるポルトガル
ポルトガルは東日本大震災クラスの大地震に1755年に襲われている。リスボン市は壊滅。奇跡的に崩壊せず残った建築物が世界遺産ジェロニモ修道院というから、優れた耐震構造技術も存在したようだ。
リスボン大地震前までは、大航海時代で世界の海を征した国。ヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して造られた世界遺産ベレンの塔が、当時の繁栄を雄弁に物語る。しかし、大地震のダメージはジワジワとポルトガル経済の基礎体力を奪い、産業は空洞化し、現在に至る「失われた250年」の長期衰退の道を歩むことになる。
出典 日本経済新聞
首都のリスボンでの東日本大震災クラスの地震と津波は、ヨーロッパ全体にも大きな影響を与える大きな被害が発生しています。
地震への心構え
ポルトガル大地震は首都のリスボンに大きな被害があり、国全体に長年にわたり影響を及ばしました。大きな地震が首都や都市部に起きることを想定して心構えを持っておくことは、防災に取り組む上で有益です。
東日本大震災に学ぶ
東日本大震災では、過去数百年にわたって蓄積されたエネルギーが一気に解放されたと解析されています。
震源域は岩手県沖から茨城県沖にかけて長さ約450km、幅約150kmにも及び、広範囲で断層が連続的に破壊されました。東日本大震災の地震エネルギーの規模は、阪神・淡路大震災の約1,000倍に達すると言われています。また、この巨大地震によって発生した津波のエネルギーも膨大なものとなりました。多くの自治体では、過去の津波被害を教訓として防潮堤が築かれていましたが、それでも今回の津波を食い止めることはできませんでした。
参照 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|東日本大震災
首都直下地震による火災の多発、交通マヒや断水
東京都の首都直下地震では、木造住宅密集地域の倒壊や火災が多発し、交通マヒや断水が予想される。建物の耐震化率を上げることや家具の固定、防災訓練の実施などが重要であり、最低3日分の飲料水と食糧の備蓄も必要といわれています。
まとめにかえて
国は首都直下地震が起きると最悪の場合、死者はおよそ2万3,000人、経済被害はおよそ95兆円に達すると想定。一方、建物を耐震化して火災対策を徹底すれば死者を10分の1に減らせる可能性があるとしています。首都直下地震への備えと自治体の復興についても知っておくことは、自分の防災や復興を考える上で有益です。
「首都直下地震」被害想定は?備えや対策は?まとめて紹介
東京など首都圏を襲う「首都直下地震」とはどういった地震なのか。国の被害想定と発生確率は。大規模火災、帰宅困難、群集雪崩、SNSで拡散するデマのリスク、住まいや経済へのダメージは。日本全国の人々に長年にわたって続く大きな影響とは。備えも含め記事や動画にまとめました。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
- 首都直下地震 被害想定 死者約2万3000人
- 首都直下地震 死者の7割は火災で
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東京都震災復興マニュアル 復興プロセス編
首都直下地震など、東京が大規模な地震で被災した場合、その後、長い年月をかけ、計画的に震災復興を進めていかなければなりません。それには、国や自治体はもちろんのこと、被災者自身をはじめ、NPO、ボランティア、専門家、企業などの幅広い参画が必要となります。
この東京都震災復興マニュアル「復興プロセス編」は、多くの都民や団体が協働し連携して取り組む「地域協働復興」を提案し、自助・共助・公助の連携による復興や基本的な考え方を示すとともに、住民が積極的に復興を進めるための仕組み等を提示することで、復興のプロセスを明らかにしています。
復興を進める際には、地域の実情を踏まえ、本書を柔軟にご活用ください。
出典 東京都防災ホームページ
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