車での避難について考えてみる・10月25日 令和元年台風21号

令和元年台風21号 台風
記事内に広告が含まれています。

2019年10月25日、令和元年台風21号は千葉県や福島県を中心に記録的な豪雨をもたらしました。両県では大規模な浸水や土砂崩れが発生し、多くの避難者が車を利用しましたが、その中で車中死と呼ばれる車内での死亡事故が相次ぎました。特に冠水した道路での車の水没や川に流される事故が多く発生し、避難時の車の使い方が改めて注目されています。この記事では、災害時に安全に車を利用するためのポイントについて解説します。

半日で1か月分の降水量

2019年(令和元年)10月25日 令和元年台風21号

出典 ふるさとチョイス災害支援 令和元年台風21号に伴う大雨

トラック諸島近海で発生した台風21号は、24日から26日にかけて日本の東を北上、台風は太平洋上を進み、千葉・福島の両県では総降水量が200mmを超え、わずか半日足らずで、平年の10月1か月分の降水量を上回るような記録的な大雨となりました。
千葉・福島の両県では、台風15号・19号による被害の復旧途上で再びの大雨となり、この両県では27の河川で氾濫が発生、各地で土砂崩れや浸水が発生した。

車での避難中に車体の水没

千葉県を中心に死者13人、負傷者8人、浸水・損壊家屋3,199棟の被害が生じ、死者の約半数は、車での避難中に車体の水没や川に流された「車中死」による死亡であり、避難のあり方を改めて捉え直す災害となりました。

車中死とは

車中死とは、車内に閉じ込められた状態で死亡することを指します。車内にエンジンをかけたまま長時間停車すると、排気ガス中の一酸化炭素が車内に充満し、呼吸困難や意識障害を引き起こすことがあります。車中死を防ぐためには、車内に閉じ込められることを避けることが最も重要です。

出典 兵庫県CGハザードマップ|兵庫県 防災学習 <洪水編> 車での避難は、ブレーキが利きにくくなったり、車ごと流されたりするなど決して安全ではありません。車での避難には、十分気を付けましょう。

災害時の車の使い方

災害が起きたとき、私たちはどう車を使えばいいのでしょうか。10年前の東日本大震災では避難者の6割が「車を使った」と回答。このことが渋滞を引き起こし、被害の拡大につながったともいわれています。5年前の熊本地震では、およそ7割の避難者が車の中で避難生活を送り、ここでは “エコノミークラス症候群” が問題に。地域住民の高齢化に新型コロナへの不安。今、災害が起きた時の車の使い方が、大きく変わろうとしています。
出典 NHK|明日をまもるナビ

これだけは知っておきたい、災害時の車の使い方

▼津波や地震の場合の避難方法は「原則徒歩」、車中泊避難は「やむを得ない場合に限る」
▼車がないと避難できない高齢者や要配慮者は、優先して車を使うルールを決めておく
▼車中泊避難する場合は、自治体が指定する場所を選ぶと避難生活がしやすい
出典 NHK|明日をまもるナビ

出典 NHK|明日をまもるナビ

車避難の注意点

水害時の教訓 体験者が語る「車避難の注意点」
災害時は、徒歩での避難が原則です。しかし、要支援者がいる場合は、車を利用せざるを得ない場合もあります。どのような心構えが必要なのか体験者の証言から考えます。
出典 NHK防災

出典 NHK防災

まとめにかえて

水害時には車に乗って避難中に「車中死」してしまうケースが起きています。運転中に大雨が降ることもあります。その際は冠水しやすい高架下や立体交差のアンダーパス、橋や川、海岸沿い、急傾斜地には近づかないことが大切です。
災害では今まで普通に出来ていたことが出来なくなったり、命の危険があることがあります。いざという時の心構えをもっておくことが、命を守る行動が必要な時に役立つ場合がます。

避難に車を使うなの意味

東日本大震災(平成23年3月)

避難に車を使うなの意味 渋滞で実感

気仙沼市 50代 男性 電装会社社長

地震のときは、会社近くの駐車場にいました。すぐに会社に戻ると、有線放送では6メートルの津波が来ると、注意を呼びかけています。そこで、従業員には気仙沼小学校に避難するように指示を出しました。残った我々は事務所の3階に上げられる貴重品や書類などをできるだけ持ち出したのでした。パソコンや書類を持ち出すのにおよそ20分かかりました。津波到達までが40分でしたから、本当にギリギリのところでした。

自動車を使って避難しましたが、途中防災無線から「車は使わないでください」とさかんに放送が流れてきます。実は、あのとき、とっさには私自身はどういう意味かが理解できませんでした。でも、そのまま進むと道路がみるみる渋滞しだしました。先ほどの放送の意味がやっと理解できたのです。

幸いにも、避難場所は至近距離だったので着くことができましたが、あのまま運転中に津波の被害にあったらと思うとゾッとします。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

タイトルとURLをコピーしました