自然災害への備えと対策をマイ・タイムラインで考えてみる・8月20日~21日 北海道常呂川・湧別川水害

大雨
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2016年8月20日から21日にかけて発生した北海道常呂川・湧別川水害は、長雨による河川の氾濫により地域住民に深刻な影響を及ぼしました。水害への備えはどのように行うべきなのか、そしてその際に活用できるツールの一つとして「マイ・タイムライン」があります。
水害の防止に向けた備えとして、「マイ・タイムライン」の活用法について心得ておくことは防災取り組む上で有益です。

河川の氾濫により被害が発生

2016年(平成28年)8月20日から21日 北海道常呂川・湧別川水害

出典 国土交通省水管理・国土保全局

台風11号の通過と前線の影響で、北海道ではオホーツク海側を中心に大雨となり、河川の氾濫による被害が生じました。
日本の東海上で発生した台風11号は本州の東海上を北上し、8月21日23時過ぎに北海道釧路市付近に上陸、その後北海道東部を北寄りに進んで翌22日3時にオホーツク海で温帯低気圧に変わりました。

台風接近前から北海道には前線が停滞していたため、北海道の東部を中心に72時間降水量が300mm近くに達する記録的な大雨となりました。この大雨により、8月21日未明に常呂川が北見市常呂町で氾濫、気象庁は常呂川に氾濫発生情報を発表しました。また、その後に北海道に再上陸した台風9号(千葉県館山市付近に上陸、北海道新ひだか町付近に再上陸)でも河川水位の上昇がみられた。この2つの台風で、全国で2人が死亡し、浸水・損壊家屋は3,700棟以上にのぼりました。

北海道新聞 どうしん動画ニュース 橋崩落やゴルフ場水没 常呂川氾濫 北海道各地で大雨被害

水害に関連する自然災害とその対策について

マイ・タイムラインによる防災行動計画

水害をはじめとする自然災害に対する対策として、「マイ・タイムライン」を活用した防災行動計画が注目されています。この方法は、個々の家庭や地域があらかじめ災害時の行動を計画し、状況に応じて迅速に行動できるようにするものです。

マイ・タイムライン~災害時にとるべき行動計画~

災害は突然やってくるから怖い!でも来るのがわかる災害もある。あらかじめ準備をしておけば、何をすればいいのかすぐわかる!事前の準備が あなたと あなたの周りの人の命を守ることにつながる。そんなマイ・タイムラインの重要性を紹介した動画になります。こんなことにならないために、ご家族や友人、学校等でご覧いただき、マイ・タイムラインに触れていただくきっかけにしていただければと思います。
出典 国土交通省|マイ・タイムライン~災害時にとるべき行動計画~

国土交通省|マイ・タイムライン~災害時にとるべき行動計画~

マイ・タイムラインとは

マイ・タイムラインとは住民一人ひとりのタイムライン(防災行動計画)であり、台風等の接近による大雨によって河川の水位が上昇する時に、自分自身がとる標準的な防災行動を時系列的に整理し、自ら考え命を守る避難行動のための一助とするものです。
その検討過程では、市区町村が作成・公表した洪水ハザードマップを用いて、自らの様々な洪水リスクを知り、どの様な避難行動が必要か、また、どういうタイミングで避難することが良いのかを自ら考え、さらには、家族と一緒に日常的に考えるものです。
出典 国土交通省 水管理・国土保全

国土交通省下館河川事務所|アニメで学ぶマイ・タイムライン

デジタル・マイ・タイムライン

デジタル・マイ・タイムラインとは
 台風の接近時などに、「いつ」・「何をするのか」を住民一人ひとりに合わせて、あらかじめ時系列で整理した自分自身の避難行動計画である「マイ・タイムライン」とスマートフォンアプリの防災情報のプッシュ通知機能などデジタル技術を融合させたものです。
 現在、デジタル・マイ・タイムラインのアプリは、各アプリ開発会社等より提供されていますので、利用者が選択して利用することが可能です。
出典 国土交通省 水管理・国土保全

出典 国土交通省 水管理・国土保全

まとめにかえて

災害は事前の準備と対策が肝要であり、これらを理解しておくことで被害を最小限に抑えることが可能になります。
水害といった自然災害には、効果的な防災策を講じることが必要です。「マイ・タイムライン」で住民が想定される被害や避難経路を把握し、洪水等の災害時にどのように行動するべきかを明確にすることが防災に取り組む上で有益です。河川の水位情報や避難指示の発令を受けた際に、身の安全を確保するための準備を整える等の行動計画は、洪水が発生する前から策定しておくことで、被害を最小限に抑えることが可能です。