2017年9月に発生した台風18号は、日本列島を縦断し、多くの地域に大きな影響を与えました。特に九州や四国では、大雨による河川氾濫や家屋の損壊が相次ぎ、甚大な被害が発生しました。このような自然災害から身を守るためには、台風接近前の早めの避難が重要です。災害時にどのタイミングで避難をすべきか、警戒レベルに基づく判断方法や、避難の重要性について心得ておくことは身を守る行動を素早くとる上で重要です。
列島縦断の台風
2017年(平成29年)9月17日 2017年台風18号
9月9日、マリアナ諸島で発生した台風18号は、発達しながら北上を続け非常に強い勢力で13日に宮古島付近を北上した後、17日11時30分頃、鹿児島県南九州市付近に上陸しました。その後は高知県に再上陸し四国を通り、17日夜には兵庫県明石市付近に再上陸、近畿・東海・北陸地方を進んで新潟沖の日本海で温帯低気圧に変わりました。
列島を縦断
当初は「北海道に上陸(史上初の九州・四国・本州・北海道への上陸台風)」とされていましたが、気象庁の事後解析で、北海道への上陸前に温帯低気圧に変わっていたと修正されています。
特に台風周辺の発達した雨雲がかかった九州で大雨となり、津久見市など大分県南部では河川氾濫が相次ぎ、浸水・損壊家屋が多数に及びました。
台風接近前の早めの避難が大切
2017年9月17日、台風18号が南九州市付近に上陸。総雨量は肝付前田で261.5ミリ、中甑で255ミリと平年の9月1か月分に近い雨となりました。
県内では人的被害はなかったものの、交通機関には大きな影響が出ました。台風はその後、高知県や兵庫県に再上陸、全国で5人が亡くなりました。この台風で種子島では最大瞬間風速40メートル、枕崎では37.2メートルを観測しました。最大瞬間風速40メートルは看板が落下するほどの非常に強い風です。
台風接近の際、暴風の中での避難は危険を伴います。台風接近前の早めの避難が大切です。
出典 テレビ「かごしま防災スイッチ」 2017年 台風18号
どのタイミングで避難をするか?
集中豪雨や台風などによって、水害や土砂災害などの災害が発生するおそれがあるとき、どの情報をもとに、どのタイミングで避難をしますか?防災情報の意味が直感的に理解でき、それぞれの状況に応じて避難できるよう、災害発生の危険度と住民の方々がとるべき行動を5段階の「警戒レベル」を用いてお伝えしています。
出典 政府広報オンライン
確実な避難
近年多発する豪雨に対応するため、「警戒レベル3で避難する」ことを盛り込むなど早期避難を習慣にしており、今回も速やかに避難したことで難を逃れた。 土砂災害警戒区域 …
発災前の確実な避難
発災前の確実な避難による効果事例集【令和 3 年 8 月更新】
声かけによる避難(7事例)
近所住民、自主防災組織や家族からの声かけが避難のきっかけになったという事例が多く報告されており、避難する際には積極的に周りの方々にも声かけを実施することが大切です。
事例 : ①新潟県糸魚川市、④岐阜県下呂市、⑨佐賀県鹿島市、⑩熊本県小国町、⑬宮城県丸森町、⑯京都府綾部市、⑱愛媛県松山市
円滑な避難(10事例)
豪雨前に円滑に避難するためには、日頃からの避難訓練、土砂災害や避難行動に関する情報(土砂災害警戒情報・避難指示等)の収集、土砂災害の前兆現象への理解や、関係者どうしの円滑な情報伝達が大切です。
事例 : ②長野県飯山市、⑤岐阜県郡上市、⑥滋賀県長浜市、⑦山口県和木町、⑧徳島県上勝町、⑪大分県日田市、⑫鹿児島県垂水市、⑭静岡県小山町、⑲高知県大月町、㉑富山県魚津市
立ち退き避難する時間的余裕がない場合の避難( 4 事例)
避難指示等が発令された際に立ち退き避難を行う時間的余裕が無い場合は、堅牢な建物の高層階へ移動したり、自宅の中でも斜面と反対側の 2 階以上の部屋等へ移動することも有効な場合もあります。
事例 : ③岐阜県下呂市萩原町、⑮岡山県新見町、⑰山口県岩国市、⑳秋田県仙北市
出典 国土交通省
まとめにかえて
災害から身を守るには早めに避難することが大事です。早めの避難のためには警戒レベルを目安にタイミングを計ることと日頃からの近所との声かけや避難訓練、防災情報の伝達、在宅避難、垂直避難も検討することも必要になります。
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