火山噴火からの円滑な避難、火山ハザードマップと避難防災を考えてみる・7月15日 磐梯山大噴火

火山
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1888年(明治21年)、磐梯山で起こった大噴火は、我々に火山噴火のリスクと避難の重要性を教えてくれる出来事でした。火山災害への備えは、火山ハザードマップを活用し円滑な避難計画を立てることから始まります。火山噴火におけるリスクと避難行動を知り、それに備えることが避難へのカギです。火山噴火に対する適切な知識と準備が、災害時の生存率を大きく左右します。

磐梯山大噴火

1888年(明治21年)7月15日 磐梯山大噴火

福島県の磐梯山が大噴火しました。これに先立って7時頃から鳴動が続いており、噴火後は北側に開いた火口から大量の噴出物が麓に流れ下り、山麓の5村11集落が埋没、461人が死亡しました。

 現在、「裏磐梯」と呼ばれ景勝地となっている桧原湖や五色沼などは、この時の噴火で川が堰き止められ形成されたものです。

出典 災害史に学ぶ|1888磐梯山噴火

災害からの教訓

磐梯山の明治噴火は、近代日本を襲った最初の大規模な自然災害でした。この時期は世界的にも火山観測の体制がまだ確立する前で、観測機器が全くない状況での噴火予知は不可能といってよく、予め避難することのないままに北麓の多くの住民が犠牲になりました。

磐梯山の爆発的水蒸気爆発型噴火による山体崩壊と岩屑なだれは、発生頻度は低いが大規模な被害を生じるおそれの高い火山現象で、現在の科学技術をもってしても予知や防災対策のあり方は課題とされています。噴火活動の経過中に行政責任者が、最適のタイミングで、広域の住民向けの適切な避難指示を出すことは、現在でも容易ではありません。
これらの点をふまえて、効果的な火山災害対策のために提案されているのは、整備された観測体制による高い予知情報、地域での防災施設の整備、ハザードマップの作成と地域防災計画に基づく避難訓練の実施、防災情報の伝達システム、などの整備です。
出典 災害史に学ぶ|1888磐梯山噴火

被害想定や避難経路の確保に役立つ火山ハザードマップ

火山ハザードマップは、火山噴火時における被害想定や避難経路の確保に役立つ情報を提供します。地元の自治体や関係機関が、住民に火山ハザードマップを提供し、適切な避難行動を呼びかけることが大切です。

火山ハザードマップ

火山災害を軽減するには、噴火時等の火山活動に伴い発生する各火山災害要因(大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流等)の深刻な影響が及ぶ範囲における住民や一時滞在者等の入山規制や、当該範囲からの住民や一時滞在者等の避難を円滑に実施することが最も重要である。
出典 内閣府|火山防災マップ作成指針|火山防災マップ作成の目的

出典 福島県|磐梯山火山ハザードマップ

円滑な避難

火山噴火の際には、円滑な避難が命を守るために不可欠です。火山ハザードマップを事前に確認し、危険を察知した場合は迅速に避難することが求められます。地域住民は、火山活動の警戒レベルや天気情報を常に把握することが重要です。

「火山噴火に備える」特徴、リスク、避難行動

日本列島にある活火山は富士山も含め111。噴火による火山灰、噴石、火砕流、溶岩流。「いざ」という時に身を守るには?あなたの近くにある火山の特徴やリスクを知ることから備えが始まります。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト

NHK|災害列島 命を守る情報サイト

火山災害から利用者を守るために

避難促進施設の備え ~火山災害から利用者を守るために~
出典 内閣府防災情報のページ

内閣府防災|避難促進施設の備え~火山災害から利用者を守るために~

まとめにかえて

磐梯山大噴火を教訓として、火山災害に備えることの重要性が改めて浮き彫りになりました。適切な情報収集や避難計画の徹底は、災害から生命と財産を守るために不可欠です。私たち一人ひとりが火山噴火に備え、安全を確保するための対策を見直すことが必要です。