津波発生後数時間以降の対応は、余震や二次災害に備えつつ、避難生活や安全確認を進めていくことが大切です。以下は、津波発生後の数時間から数日間にわたる行動を時系列でまとめたものです。
津波発生後は、安全な避難生活を優先し、情報収集と支援制度の活用を通じて、地域の復旧や生活再建に向けた行動を計画的に進めることが重要です。
津波襲来後
1. 津波襲来後 数時間~半日(0時間~12時間)
余震への備え:津波発生後も余震が続く可能性があるため、油断せずに安全な場所で待機します。余震により再度津波が発生する可能性もあるため、警報が解除されるまでは避難場所にとどまります。
最新情報の収集:ラジオや携帯電話で津波警報の解除や避難指示の情報を確認し続けます。また、自治体や警察、消防などからの避難勧告や安全確認に関する情報にも注意を払いましょう。
・大津波警報・津波警報・津波注意報・津波予報
避難場所での安全確認:避難場所が安全であることを確認し、周囲の避難者と協力して秩序を保ちます。怪我をしている場合は、応急処置や救護活動を受けます。
2. 津波襲来後 半日~1日後(12時間~24時間)
避難場所での生活の開始:避難が長期化する場合、避難場所での生活が始まります。自治体や救援団体から支給される支援物資(水・食料・毛布など)を受け取り、しばらくの間は避難場所での生活に備えます。
避難生活…ここに気をつけて!
災害で自宅に住むことができなくなったら…。次の住まいを確保するまで避難所で生活することになりますが、これまでの災害では避難生活で命を落としてしまうケースが相次いでいます。避難生活を乗り越えるため、「避難する人」「避難所を運営する人」の双方に気をつけてほしいポイントです。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
近隣の安否確認:避難場所に到着した後、家族や友人の安否確認を行います。スマートフォンやインターネットが使えない場合、自治体が提供する安否確認システムを利用します。
災害時の安否確認は?
地震や大雨などの災害時に心配なのが家族や知人の安否。アクセス集中による通信規制で一般電話などがつながらなくなった場合にどうやって連絡を取り確認するか。具体的な連絡手段や方法、使い方のポイントです。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
避難場所での衛生管理:避難所では多くの人が集まるため、衛生管理が重要です。手洗いや消毒を行い、感染症の予防に努めましょう。
3. 津波襲来後 1日~数日後(24時間~72時間)
自宅への一時帰宅(場合による):津波警報が解除され、安全が確認されると、自治体の許可により一時的に自宅に戻ることが認められる場合があります。この際、自宅の状況を確認し、重要な物品を持ち出すことができる場合もありますが、再度の津波や余震に備えて速やかに行動します。
自宅の損壊状況確認:自宅に戻る際は、建物の倒壊や浸水の状況を確認します。ただし、自己判断での立ち入りは避け、自治体や専門家が安全と判断した後に行動するようにしましょう。
被災したときに最初にすること
住まいが被害を受けたときは、早く家の片付けや修復作業に取り掛かりたくなるかもしれません。しかし、その前に、まずやっておきたい重要なことがあります。
被害状況を写真で記録する
家の被害状況を写真に撮っておきましょう。市区町村から罹災証明書(※「第4章 罹災証明書と住まい・生活への公的支援」を参照)を取得して支援を受ける際や、損害保険を請求する際などに、たいへん役に立ちます。
出典 政府広報オンライン
家の外の写真の撮り方のポイント
- カメラ・スマホなどでなるべく4方向から撮る
- 浸水した場合は浸水の深さも分かるように撮る
家の中の写真の撮り方のポイント
- 被災した部屋ごとの全景を撮る
- 被害箇所の「寄り」にて撮る。
復旧支援の開始:津波による被害状況が確認されると、自治体や支援団体による復旧活動が始まります。食料、水、医療支援などが避難所に届けられ、ライフラインの回復が進むまでの間、支援を受けつつ生活します。
4. 津波襲来後 数日~1週間後(72時間~1週間)
ライフラインの復旧:津波による被害を受けた地域では、電気・水道・ガスなどのライフラインが寸断されていることが多いため、復旧まで避難所や仮設住宅での生活が続きます。被災者は、食料や物資の供給を受けながら、自治体の指示に従い、安全を確保します。
物資の調達と共有:避難生活が長期化する場合、物資が不足することもあるため、支援物資が適切に配分されるよう協力し、節約を心がけます。近隣住民と物資を共有し、助け合いながら生活することが重要です。
心身のケア:避難生活の疲労やストレスに注意し、心身のケアを行います。体調が悪化した場合は、早めに避難所の医療スタッフに相談しましょう。
仮設の暮らしが生む、新たなストレス
災害による衝撃や喪失体験自体も大きな心理的ストレスを被災者に与えますが、生活全体が激変することによって、新たなストレスを被ることになります。
つまり、繰り返される転居や、それにまつわる煩雑な手続き、馴染みのない人間関係、快適でない生活環境、将来への見込みのなさなどは、慢性的なストレスを与えるわけです。仮設住宅の暮らしは、その典型例と言えるでしょう。
(例)郊外の新興住宅地の暮らしは自家用車での生活を前提としているので、旧市街地で暮らしてきた高齢者にとって、駅まで遠い、買い物が不便という日々の暮らしの変化が大きな負担になる。また、県外の仮設住宅に入居した被災者にとっては、なじみが薄く、しかも震災と全く関係ない土地で暮らすこと以外に、兵庫県に戻るための情報が届きにくいこと、県内の仮設と同じ支援が得られないという不安などが大きなストレッサーになった。
5. 津波襲来後 1週間以降
仮設住宅や支援の活用:自宅が住めない状態であれば、仮設住宅の提供が開始される場合があります。自治体の支援制度を利用し、住まいの確保や生活再建を進めます。
仮設住宅とは
自宅が被害に遭った場合、ひとまずは公共施設などの避難所に身を寄せる場合も多いでしょう。また、やむを得ず損壊している自宅で在宅避難をする方や、車中泊を余儀なくされる方もいるかもしれません。いずれの被災者も、次の段階として、仮の住まいを探す必要があります。
そのとき、法律に基づく公的な支援制度として知っておいてほしいのは、「応急仮設住宅」です。いわゆる「仮設住宅」のことで、「災害救助法」が根拠になっています。災害救助法が適用されるのは、「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じた場合」など一定規模以上の災害です。
出典 Yahoo!天気・災害
復興支援活動の参加:避難生活の中で、自宅や地域の復興活動が本格的に始まります。自治体やボランティア団体の活動に参加し、地域の復興に協力しましょう。
生活再建の手続き:保険や支援金の手続き、家屋の修繕や再建に向けた計画を進めます。自治体のサポートを受け、必要な手続きを早めに行うことが大切です。
住まいの再建に向けて 「り災証明書」・公的支援制度
もし被災してしまったら、生活を再建する上で、住宅が被災した人たちは、これから住む場所についてさまざまな選択を考えなければなりません。「り災証明書」などの公的支援制度や必要な手続きについて紹介します。
出典 NHK防災
まとめにかえて
津波があり被災した場合、避難し避難生活を送りながら生活の再建に取り組むことにないります。
防災は災害があり被災したとしても、生活再建をする上でその効果を発揮します。津波に遭っても命が守れてケガもしないで、家族が無事であれば、生活の再建に集中しやすくなります。
防災は復興な始まりと言えます。
そして災害前の生活を取り戻せたら、次の災害のための防災が始まります。
震災から2年半
東日本大震災(平成23年3月)
震災から2年半、将来の不安増す仮設生活
(釜石仮設団地 60代 男性)
震災の年の8月にこの仮設に移り、自治会の役員をしています。最後にできた県の仮設で、地元の施設に入れなかった人たちが、いろいろな地域から寄り集まっているため、最初はお互い顔も分からない状態でした。自治会を作ってだんだんコミュニティはできてきたのですが、2年も経つと、気の緩みもあるし、「この先自分はどうなるんだろう」というイライラもあって、わがままな人も出てきます。仮設団地の自治会は、いろんなところから集まって、最後はなくなるものですから、まとめるのは大変なんです。
近ごろ、大学や企業の支援を受けて団地内の有線テレビ放送を始めました。イベントに出て来られない人のために録画して放送するのですが、その編集作業は普通のビデオとは違って技術的にも難しく、時間もかかります。それでも、仮設のコミュニティを良くしようと自治会の事務局はがんばっているし、会長さんは予定がない日を探すのがむずかしいほど忙しい毎日を送ってくれています。
復興住宅へは何人か入ったけれど、これからどっと増えてきます。計画からいうと、来年から本格的になるようですが、3千戸必要なところに50戸ぐらいしかできていないから、まだまだ。私たちも復興関係の委員会を結成して、今動き始めたばっかりです。
いざその時、その前は?
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