津波、いざその時のその前

津波が発生する前に備えておくべきことは、緊急時の対応力を高め、被害を最小限に抑えるための準備が中心です。以下に、具体的な備えをまとめました。

津波についてと津波警報は即避難、津波注意報の理解

情報収集と理解

津波の仕組みや警報システムの理解:津波がどのように発生するかを理解し、警報や注意報が発令されたときの意味を把握します。津波警報は即避難、津波注意報は警戒行動が必要です。

気象庁|津波防災啓発動画「津波に備える」~日本語字幕~

自宅や職場の危険度を把握:自分が住んでいる地域が津波のリスクが高いかどうかを確認します。自治体のハザードマップで、自宅や職場、通学路などが浸水の可能性がある場所かをチェックしましょう。

避難経路と避難場所の確認:家族全員で避難場所を確認し、そこにどうやって行くかを話し合います。事前に高台や指定された避難所の場所を確認し、最適な避難経路を決めておきます。

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避難計画や緊急用備品の準備

避難計画の準備

  • 避難計画の策定と共有:家族や同居者全員で避難計画を立て、津波発生時にどのように連絡を取り合うか、どの経路を通って避難するかを話し合い、共有しておきます。
  • 避難訓練の実施:定期的に避難訓練を実施し、家族全員がスムーズに行動できるようにしておきましょう。特に沿岸部に住んでいる場合は、緊急時にどう避難するかを体験しておくと有効です。
出典 重ねるハザードマップ (津波浸水想定)

緊急用備品の準備

  • 非常用持ち出し袋の準備:すぐに避難できるように、必要なものをまとめた非常用持ち出し袋を準備しておきます。以下のものを含めると良いでしょう:
    • 飲料水(1人あたり1日2リットル)
    • 非常食(缶詰、乾パン、栄養バーなど)
    • 応急手当キット
    • 懐中電灯と予備電池
    • モバイルバッテリー
    • 貴重品(現金、保険証、免許証のコピーなど)
    • 衣類や毛布、雨具
    • マスクや衛生用品
  • 生活物資の備蓄:津波が発生した場合、避難生活が数日以上続く可能性があるため、飲料水や非常食、トイレットペーパーなどの日用品を家に備蓄しておきます。

安全対策や地域との連携

住まいの安全対策

  • 家具の固定:地震によって津波が発生することが多いため、家具や家電製品が地震で倒れないように固定しておくことが重要です。特に寝室やリビングの大型家具の固定が必要です。
  • ガスや電気の遮断方法を確認:地震が発生した場合、ガスや電気をすぐに遮断することで火災のリスクを減らせます。遮断方法を家族全員で共有しておきます。

地域コミュニティとの連携

  • 近隣住民との協力体制の確立:地域のコミュニティや自治会と協力し、津波発生時の避難支援や助け合いの体制を作っておくことが大切です。近隣の高齢者や子どもがいる家庭への支援を事前に話し合うことも重要です。
  • 自治体の避難訓練に参加:地域の避難訓練に積極的に参加し、避難経路や避難場所の実際の位置を確認することで、緊急時に冷静に行動できるようになります。

心構えと知識の習得

  • 緊急時の冷静な行動:津波が発生した場合、パニックにならず冷静に行動することが重要です。揺れを感じたらすぐに避難を開始し、津波の第一波が到達するまでに逃げ切る意識を持つことが必要です。
  • 「逃げる」を最優先に:津波は想像以上のスピードで襲ってくるため、地震後にすぐに逃げることが命を守る鍵です。荷物を取るよりもまず、自分の命を最優先に考え、迅速に行動しましょう。

地震によって発生する津波の全てを正確に予測する事はできず、人的被害を免れた多くの例は、可能な限り早く高くへ逃げるという津波襲来時の避難の原則に従ったケースでした。東日本大震災では、押し寄せる津波が当初予測された数値よりも遙かに高い例が多くありました。
出典 首相官邸ホームページ|津波ではどのような災害がおこるのか

出典 首相官邸ホームページ

緊急連絡手段の確認

  • 通信手段の準備:地震や津波発生時、通常の電話回線が混雑することが予想されます。そのため、緊急時には家族や友人と連絡を取る手段を複数用意しておくと良いです。携帯電話のSMSや、LINEなどのメッセージアプリを利用することが推奨されます。
  • 緊急連絡先の共有:家族や友人と緊急連絡先をあらかじめ共有しておきましょう。また、自治体が提供する災害伝言板などの利用方法も確認しておくと安心です。

まとめにかえて

事前の備えが、津波発生時に命を守る大きなカギとなります。日頃から意識して準備を整えておくことで、緊急時に迅速かつ的確な行動が取れるようになります。

津波は防災マップどおりには来なかった

東日本大震災(平成23年3月)

流された家の中で九死に一生~津波は防災マップどおりには来なかった~

(釜石仮設団地 50代 女性)

揺れが止まるのを待って、仏壇を片づけたり、父親の写真が落ちたのでそれをタンスの中に入れたりしていました。でも、あまりにも家の前の国道をみなさんが逃げて行くので、夜勤明けで家にいた息子が「ちょっと防災センターを見てくる」と言って出かけて、戻ってくるなり「津波だ!」と叫びました。

足もとを見たらすごい水が来ていて、気がついたらもう水の上って感じで、母親と息子、うちの2階に逃げてきた妹夫婦と私の5人が家ごと流されてしまったのです。

メリメリバリバリバリバリッと家が壊れる音の中、車がヒュッと飛んで向かいの山にぶつかるのを見たりしながら波の流れにほんろうされていました。いったん流れが止まり、家が止まったんですが、今度は引き波で家が回転し、バリバリッと壊れながら海の方に引かれて行きました。

その後、次の津波が来た時にそのまま後ろ向きで陸の方に流され、お寺のすぐ前のところで何かに引っかかって止まりました。自衛隊に救助されたのは13日の朝でした。

私はいつも防災マップを意識していました。うちの辺りは津波が川の堤防を超えた場合の到達点だったので、ピチャピチャという状態を想像していて、3メーターの津波と報道された時にもせっぱ詰まった状態とは思わず、安心していました。それが家ごと流されるなんてね。想像もつかないことが起こりました。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

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