発生直後
河川の氾濫などの発災から避難までの時間を短くし、一刻も早く避難ができるようにしておくことが大事です。そのために気象情報を確認し早めの行動がとれるようにすることが大事です。
早めの避難行動
気象情報に注意して早めに行動
初夏から秋にかけては、台風や前線の影響で、大雨、洪水、暴風、高潮等による自然災害が発生しやすい季節です。皆さんが早めの避難などの防災行動をとることができるよう、気象庁は様々な「防災気象情報」を発表しています。時間を追って段階的に発表される「早期注意情報」や「気象情報」、「注意報」、「警報」などの防災気象情報を有効に活用し、早め早めの防災行動をとるようにしましょう。
出典 政府広報オンライン
「防災気象情報」を活用し、大雨や台風への備えをします
キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)
気象庁では、地図上のどこで危険度が高まっているかがリアルタイムで色分けされる「キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)」も提供しています。パソコンやスマートフォンから、気象庁のウェブサイトの「キキクル(危険度分布)」で確認できます。
出典 政府広報オンライン
河川の様子を見に行くのは危険です。河川ライブカメラで状況を確認します
河川ライブカメラ
流れの速い川には近寄るべからず
福岡水害(平成15年7月)
流れの速い川には近寄るべからず
~消防団員の経験から言っておきたいこと~(福岡市 70代 男性 消防団員)
消防団に入ってもう55年になりますが、最近の雨の降り方の異常さは感じています。台風に付随した豪雨は過去にもたくさんあったけれど、近ごろは完全に雨だけやもんね。
雨粒の大きさが違うような気がするし、トタン屋根とかじゃない家の中にいても雨音で恐怖を感じることもあります。そんなことって、今まではそうそうなかった。
それから、長年の経験から言えることは、「流れの速い川のそばには、絶対に近寄っちゃいかん」ということですね。よく老人が田んぼや畑を見回りに行って、小さな水路に落ちて流されたって話を聞きますが、普通は「なんで、そんなところで」って思いますよね。
でも、それはちっとも不思議なことではなくて、水の流れを見ているうちにめまいを起こすんじゃないかと思うんです。自分たちでさえ、増水した川をじっと見ていると、思わず体が引きずり込まれるみたいになりますからね。
発生後(0~1時間)
水害発生直後の0〜1時間は迅速な判断が求められます。安全な場所へ早めの避難が重要です。川の氾濫が発生した場合、最初に確認するべきは水位の急激な上昇です。特に大河川では、氾濫に至るまでの予兆を見逃さないことが重要です。氾濫の兆候がある場合は、速やかに河川の近くから離れ、より高い安全な場所へ移動することが求められます。この時期は情報が錯綜しやすく、状況確認を怠ると危険です。
避難勧告や避難指示が発令されている場合は、速やかに避難を開始してください。すでに水が押し寄せている場合は、無理に避難せず、高い場所や安全な場所に移動します。
川の氾濫による洪水 警戒のポイントは?
川の氾濫による洪水。警戒点と避難のポイントです。川の特徴を知り、あらかじめ避難するタイミングを決めておくことが大切です。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
気象庁の「キキクル(危険度分布)」を活用します
大雨の際に川の状況を知るために活用してもらいたいのが気象庁の「洪水警報の危険度分布(キキクル)」です。
紫色に変わった時は氾濫の危険性が高くなっています。ただし、紫色になっていなくても川の水かさが急激に増して流れが激しくなったり、流木や石が混じったりするなど、いつもと状況が異なる時は、早めの避難を心がけてください。
中小河川は急激な水位上昇に気をつける必要があります
中小河川は川幅が狭く、勾配が急なため、短い時間で急激に水位が上昇するのが特徴です。洪水が発生すると、大量の土砂や流木とともに、住宅などを押し流すおそれがあります。
避難場所を確認しておく
家族や近隣住民との連絡: 家族や近隣住民と安否確認をし、避難の意思を共有します。
避難場所は日常的に確認しておくべきであり、災害発生時にはすぐに思い出せるようにしておくことが肝心です。地方自治体が提供している避難所や、普段から利用している公共施設をしっかり把握し、家族間の連絡方法と集合場所を決めておくことが大切です。
東海豪雨(平成12年9月)
避難場所ってどこだっけ?
(清須市 60代 女性)
あの日、夜のニュース番組のあいだ中、大雨で警戒が必要な地域の名前がテロップで流れていました。その中にうちの地域の名前もありましたが、庄内川上流域の地名が多かったので、勝手に「決壊をするなら庄内川だろう」と思い込んでいました。
気になって外を見には行きました。でも、雨がザーッと降って、そのあと側溝に引いていっちゃう。道路もザーッとあふれるくらいで玄関の元まで来ては引いていくっていう繰り返しだったんで、万が一のためにカンパンとかを少し袋に入れはしましたけど、あとはそのニュースを見ていたんです。
12時半ぐらいに組長さんが玄関の戸をドンドンって叩いて、「避難勧告が出てます。指定避難所へ逃げてください」と、1軒、1軒町内を回ってきたんです。それで主人と「どうしよう」と話し合いましたが、「指定避難所ってどこだろう」って、冷静に考えるとわからないんです。その頃はそんなもんでした。
出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト
大雨・洪水・浸水時の「屋外への避難」 知っておきたいポイントは? 車の移動も危険
「屋外への避難」のポイントを知っておきます
洪水(大雨)に備えての避難
洪水からの避難のポイント
次に、大雨による洪水からの避難のポイントを見ていきましょう。
原則は、浸水する前に避難することです。浸水してからの避難はさまざまな危険があります。役場などからの情報に注意して早めの避難を心がけてください。特に、役場から避難勧告や指示が出された場合はためらわずに避難しましょう。
役場からの情報がない場合でも、住んでいる場所の条件などによって危険となる場合がありますので、危険を感じたらすぐに避難します。とくに子どもやお年寄り、体の不自由な人がいる場合は早めに避難しておきます。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|避難
台風や大雨は事前に予測できる災害です。水害や土砂災害が起こる前に避難することが可能です。
いざその時、その後は?
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