地震の予測
2009年4月6日 イタリア・ラクイラ地震
イタリア中部・首都ローマの北東を震源とするマグニチュード6.3のラクイラ地震が発生しました。
大地震発生の可能性は低いとする見解を示した矢先の地震
ラクイラ周辺では以前から弱い地震が相次いでいたものの、政府が大地震発生の可能性は低いとする見解を示した矢先の本震発生で、地震学者と政府関係者がこの判断の責任を問われ告訴・裁判を受ける異例の事態となりました。
地震と予測について
地震予測について
地震の予知はできますか? 気象庁|よくある質問集より
地震を予知するということは、地震の起こる時、場所、大きさの三つの要素を精度よく限定して予測することです。例えば「(時)一年以内に、(場所)日本の内陸部で、(大きさ)マグニチュード5の地震が起こる」というようなあいまいな予測や、毎日起きているマグニチュード4程度以下の小さな地震を予測するような場合はたいてい当たりますが、それに情報としての価値はあまりないと考えます。
少なくとも「(時)一週間以内に、(場所)東京直下で、(大きさ)マグニチュード6~7の地震が発生する」というように限定されている必要がありますが、現在の科学的知見からは、そのような確度の高い地震の予測は難しいと考えられています。
出典 気象庁|よくある質問集|地震予知について
地震リスクの伝達方法やコミュニケーションの重要性
地震リスクの伝達方法やコミュニケーションの重要性を学ぶことが大事です。この地震では、科学技術者が地震リスクについて住民に十分な情報や注意喚起を提供しなかったとして、有罪判決を受けました。科学技術者は、自分たちの知識や判断の限界を明確にし、住民の不安や疑問に対応する必要があると言えます。
参照 日本地震工学会ホームページ
徹底すべきだった防災訓練
東日本大震災(平成23年3月)
徹底すべきだった防災訓練
気仙沼市 50代 男性 市役所職員
今回の震災で助かった人も、亡くなった人も、危機意識が低かったとは到底思えません。中には、家族や近所の人を助けに行くために戻って、助からなかった人もいました。
津波のある地域には、“てんでんこ”という言葉があります。まずは、自分の命が大切です。てんでばらばらでもいいから、とにかく逃げようという教えです。これをもっと徹底しておけばよかったと思っています。
私は、市役所で防災担当を仰せつかってきました。実際、市の防災訓練は新人にしか行いませんでした。やはり職員全員の防災訓練を定期的に行うべきです。そして、防災担当が変わっても、永遠に訓練し続けることが大事です。
今年3月、全職員が担当して地域ごとにバラつきがないよう徹底して逃げる仕組みを作りました。もっと早くに作っておくべきでした。そしてこれは、市だけでなく県全体で取り組まないといけないと思います。「まさか、うちだけは‥」という意識の落差を埋めて、「ここなら安全」というイメージをもってはいけません。今ならというより今だからこそ、最高の仕組みを作れると思います。
出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト
まとめにかえて
地震対策の強化や防災意識の高揚を図ることは、事前防災として大事です。
この地震では、古い建物や歴史的建造物が多く倒壊しました。地震に強い建物やインフラの整備や改修、避難訓練や備蓄などの防災活動を行うことは、外国の他人事ではなく自分事として考えることが重要です 。