2007年3月25日に発生した能登半島地震は、石川県で観測史上初となる感度6強を記録しました。日本海側では、海陸断層の影響により、地震発生直後に津波が到達する可能性があるため、迅速な避難が求められます。
観測史上初の震度6弱以上の地震
2007年(平成19年)3月25日 能登半島地震

能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の能登半島地震が発生し、石川県輪島市、七尾市、穴水町で震度6強を観測しました。石川県での震度6弱以上は観測史上初となりました。
日本海側の防災
日本海側の防災は、太平洋側とは異なる特徴に注意する必要があります。
日本海側では、地震直後に津波が到達する可能性が高い「海陸断層」が多数存在することが判明しています。そのため、地震発生時には速やかに高台へ避難することが重要です。
日本海地震・津波研究プロジェクトでは、日本海側沿岸部自治体の防災対策や意識調査を行っており、その結果を参考にして自分の住む地域のリスクや避難方法を確認することも有効です。
参照 文部科学省
兵庫県では、日本海津波防災インフラ整備計画を策定し、防潮堤や河川堤防、水門などの施設の整備を進めています。
参照 TEAM防災JAPAN
海陸断層とは
海陸断層とは、海と陸をまたいで走る活断層のことです。海陸断層が動くと、海底が隆起や沈降することで津波が発生します。日本海側では、海陸断層が多数存在し、地震の発生からわずか数分で津波が到達する場合もあります。そのため、地震感知時にはすぐに高台へ避難することが必要です。

日本海側 地震直後に津波到達する「海陸断層」が多数存在
東日本大震災では、10メートル以上の大津波が甚大な被害をもたらしましたが、津波のリスクには到達するまでの早さもあります。特にそのリスクが高い日本海について、国の研究プロジェクトが、新たな調査結果を取りまとめました。津波を引き起こすおそれのある断層は合わせて185あり、中には陸と海にまたがるように断層が伸び、地震直後に津波が到達する「海陸断層」が多数あるとして、専門家は「リスクを認識して地域の防災に役立ててほしい」と指摘しています。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト

日本海側での津波
「日本海東縁部」 短時間で到達する津波に注意
北海道沖から東北沖にかけての日本海側にある「日本海東縁部」。「日本海中部地震」「北海道南西沖地震」など、過去に大地震が起きている場所です。日本海側では陸地から近いところで津波が起きることが多く「強い揺れを感じたら、すぐに避難」が重要です。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト

津波の時はどのように行動したらいいか?
「津波警報」等を見聞きしたら、高い場所へ避難
強い揺れや弱くても長い揺れを感じたら、また地震を体で感じなくても、「津波警報」等を見聞きしたら、いち早く海岸から離れ、可能な限り高い場所へ避難してください。
海岸付近にいる人は、すぐに避難を開始
海水浴等により海岸付近にいる人は、「津波注意報」でも避難が必要です。海からあがる、海岸から離れるなど、すぐに避難を開始してください。
高台や津波避難タワー、津波避難ビルなどに向かう
避難をする時は、近くの高台や津波避難タワー、津波避難ビルなどに向かってください。
安全が確認されるまでは、被災地域には立ち入らない
第一波の引いた後に家に戻り第二波にのみこまれ被害に遭ったケースや、余震により再度津波が発生するケースもあり、津波警報・注意報が解除され安全が確認されるまでは決して被災地域には立ち入らないでください。
安全な避難場所を確認しておく
津波の災害から身を守るためには、日頃から津波に関する情報を収集したり、津波ハザードマップなどで家の周りの安全な避難場所を確認しておくことが必要です。
津波は想像を超える
津波は想像を超える速さ、あるいは想像を超える場所からやってくることを認識しておきましょう。
出典 首相官邸ホームページ|津波ではどのような災害がおこるのか

まとめにかえて
災害は今までなかったとしても、これからもないとは限りません。またその地域、場所によって、備えや対応は異なります。
日本海側では、地震直後に津波が到達する可能性が高い「海陸断層」が多数存在しており、地震発生時には速やかに高台へ避難することが重要となります。
「正直、地震なんて1000分の1も思っていませんでした。」
平成19年能登半島地震(平成19年3月)
息子の忠告聞き流す
(穴水市 60代 女性)
うちは畳の上にジュウタンを敷いていて、置いていた家具が全部倒れてしまいました。板の間に比べると畳は少しフワフワしているから、よけい倒れやすかったようです。
正直、地震なんて1000分の1も思っていませんでした。自分のところには地震は来ないと思っていたので、阪神・淡路大震災の神戸の人たちを気の毒やなあと思っていただけでした。整理ダンスの上とかに書類を入れたカラーボックスをいくつものせていて、息子から「地震がきたら全部落ちるぞ」と言われていたのに。
地域でいろいろ活動してきたけれど「今まで口先だけやったなあ」と反省しました。防火のために風呂場の水を捨てないでおくとかはやっていましたが、家具は固定しておかなければならなかったんです。