地震学会誕生のきっかけ
1880年(明治13年)2月22日 横浜地震
マグニチュード5.5~6.0程度と推定される横浜地震が発生しました。
日本地震学会発足の契機
被害としては横浜で煙突の破損が多かったことと、家屋の壁が落ちた程度でしたが、当時は明治になって十年と少し経ち、この地震を体感した外国人らを中心に強い衝撃を与え、これを契機に日本地震学会が発足し、地震の観測や耐震・免震建築などの研究が精力的に進められました。全国的な地震学会の発足は、1911年(明治44年)アメリカの地震学会に比べ30年以上早い発足でした。
地震と火災被害
地震があったら火災に注意
横浜地震は被害としては横浜で煙突の破損や家屋の壁が落ちた程度で、大規模な火災が発生しませんでした。地震では大規模な延焼火災の発生により被害が拡大する場合があります
安政の大地震
江戸は災害の多い町でした。富士山の噴火(1707年)、寛保の大水害(1742年)、安政の大地震(1855年)、江戸大風(1856年)などはその代表的なものでしょう。特に地震は、火事に次いで人々が恐れたものでした。
関東大震災
この地震により、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけての広い範囲で震度5から震度1を観測し、10万棟を超える家屋を倒潰させました。また、発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が発生し、大規模な延焼火災に拡大しました。
出典 内閣府防災情報のページ
地震火災の対策
地震はその発生を止めることはできませんが、火災は発生を抑えることができます。
地震火災を防ぐ主なチェックポイント
事前の対策
- 住まいの耐震性を確保する
- 家具等の転倒防止対策(固定)を行う
- 感震ブレーカーを設置する
- ストーブ等の暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
- 住宅用消火器等を設置し、使用方法について確認する
- 住宅用火災警報器(連動型住宅用火災警報器などの付加的な機能を併せ持つ機器を推奨)を設置する
震災直後の行動
- 停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く
- 石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
- 避難するときはブレーカーを落とす
地震火災 ~あなたの命を守るために出来る事~
地震火災発生のメカニズム等を過去の事例をもとに紹介し、対策例として、家具等の転倒防止措置、感震ブレーカーの設置、安全装置付きの暖房器具の使用など、日常での地震火災対策について周知する内容です。また、地震火災対策に併せて、近年、風水害発生時においても発生が懸念されている通電火災についても対策を周知する内容となっております。
出典 総務省動画チャンネル
まとめにかえて
横浜地震は地震学会発足のきっかけとなりました。
公益社団法人日本地震学会は、地震学に関する学理及びその応用についての研究発表、知識の交換、及び内外の関連学会との連携を行うことにより、地震学の進歩・普及を図り、もってわが国の学術の発展に寄与することを目的としています。出典 日本地震学会の概要 目的と事業
この地震では大きな火災等もなく被害は少なくようでしたが、学会を発足させ日本の地震学の進歩・普及を図ろうととの取り組みが必要だと当時の人たちの決意が想像されます。