濃霧のなか起こった海難事故
1955年(昭和30年)5月11日 紫雲丸事故
当時の国鉄宇高連絡船紫雲丸が、濃霧の香川県高松港沖の瀬戸内海で貨物連絡船と衝突し、紫雲丸は沈没した。この事故で168人が死亡、122人が負傷したが、犠牲者の多くが修学旅行生でした。
この事故を契機として瀬戸大橋架橋の機運が高まり、事故から33年後の1988年(昭和63年)4月10日に鉄道・道路共用としては世界最大級の規模を誇る瀬戸大橋の供用が開始された。
瀬戸大橋
瀬戸大橋は、岡山県倉敷市と香川県坂出市の海峡部約9.4kmを結ぶ6つの橋から成る、世界最大級の道路と鉄道の併用橋です。潮流や台風、地震、複雑な海底の地質などの厳しい条件を克服するため、着工から約10年の歳月をかけ、我が国の土木技術・架橋技術の粋を集めて建設されました。
出典 国土交通省|瀬戸大橋
防災取り組みの景観
災害に備える防災の施設や地形は、その地域独自の景観にもなっています。
首都圏外郭放水路
首都圏外郭放水路は、洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路です。中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川が洪水となった時、洪水の一部をゆとりのある江戸川へと流すことができます。
出典 国土交通省関東地方整備局
本宮砂防堰堤(ほんぐうさぼうえんてい)
ここは、常願寺川流域を土砂災害から守る、とても重要な砂防堰堤 貯砂量はなんと日本一
国が指定する有形文化財にも指定されています。
出典 富山市の公式観光サイト TOYAMAnet
渡良瀬遊水地
遊水地は大雨などで川の水が急に増えたとき、その一部を貯めて下流に流れる量を少なくする役割を持っています。 渡良瀬遊水地は、茨城県古河市の北西に位置し、茨城県(古河市)、栃木県(栃木市、小山市、野木町)、群馬県(板倉町)、埼玉県(加須市)の4県の県境にまたがる面積33km2の遊水地で、効率的な洪水調節を行うための調節池工事が昭和37年度より開始され、現在は第1調節池、第2調節池、第3調節池の3つの調節池に分割されています。
出典 国土交通省関東地方整備局
防災と観光
自然が豊かな地域は風光明媚な観光地になっている場合があります。そうした地域は災害で被災を経験したことがあり、その経験に基づいた対策が取られてもいます。
防災と観光の共存
火山や複雑な海岸線等は、多くの地域で重要な観光資源となっているが、一方で火山の噴火による溶岩流到達・降灰、地震による津波等災害が発生する地域ともなっており、これらを観光資源としている地域においては、観光振興と防災対策とを共存させることが不可欠である。
出典 内閣府政策統括官(防災担当) 総務省情報通信政策局地域通信振興課地方情報化推進室
防災観光の魅力とは
東北地方では、過去に地震や津波、台風などの自然災害を数多く経験してきました。
2011年 3月11日東日本大震災では死者2万におよぶ尊い命が犠牲となりましたが、過去の災害経験がなければ、更に多くの犠牲者を出していた可能性があります。東北の各地域では、今後起こる可能性がある災害にそなえるため、過去の災害経験を次の世代や全世界に伝えるべく、防災学習の取組みを積極的に実施しています。
出典 防災+観光/BOSAI+Tourism
まとめにかえて
風光明媚な場所は災害にも注意が必要な場所な場合がああります。沿岸部の海が一望できるオーシャンビューは津波が、川や湖の傍のリバーサイド、レイクサイドでは水害が、温泉地では火山の噴火の可能性があります。
今ある街並みや景観は過去の災害から復興して、被災した経験からその対策を施した結果生まれたものとも言えます。防災やその取り組みは普段の生活に溶け込んでいる場合があります。風景の一部になっていることを意識することも防災に取り組むうえで有効なことかもしれません。