暴風について考えてみる・9月9日 令和元年台風15号

台風
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2019年9月9日、台風15号は千葉市付近に上陸し、関東地方に記録的な暴風をもたらしました。この台風は、比較的小型ながらも「非常に強い勢力」として関東地方に接近し、特に千葉県で大規模な被害を引き起こしました。停電や通信障害が長期化し、家屋の損壊も多数発生しました。台風15号の事例をもとに、強風への備えや対応について事前に考えておくことは防災に取り組む上で有益です。

関東地方南部で記録的な暴風

2019年(令和元年)9月9日 令和元年台風15号

強い勢力の台風15号が千葉市付近に上陸し、関東地方を北上しました。この台風は大きさとしては比較的コンパクトではあったものの、関東地方に接近する直前で勢力を強め、一時は「非常に強い勢力」となりました。このため、関東に上陸した台風の中では最強クラスとされ、関東地方南部では記録的な暴風となりました。

消防庁動画チャンネル 令和元年房総半島台風から学ぶ
出典 千葉日報 台風15号の影響でネットごと倒壊したゴルフ練習場のポール。住宅を直撃した=2019年9月9日午前、市原市(共同通信社ヘリから)

特に台風の進路の東側にあたる千葉県の被害が大きく、停電は一時900,000軒以上にのぼり、全面復旧に2週間以上かかったほか、停電による断水や通信網の障害も長期に及び、インフラの脆弱性が明るみになりました。さらに、暴風による家屋の一部損壊も多数にのぼり、千葉県君津市では送電線の鉄塔が倒壊、市原市ではゴルフ練習場の支柱やネットが住宅に倒れるといった被害も発生しました。


台風による災害は、風害、水害、高潮害、波浪害など、単独で発生することも複合して発生する場合もあります。その対応や備えもそれぞれ必要になります。

強風への備え

複合的な被害をもたらす、台風。その1つが「強風」です。私たちは強風にどう備えたらいいのか?近年の台風の中で特に強風被害が大きかった2019年9月の台風15号の事例から考えます。
出典 NHK防災

出典 NHK防災

令和元年房総半島台風から学ぶ(暴風)

令和元年房総半島台風で最も大きな被害をもたらしたのは、暴風です。千葉市では、最大風速35.9メートル、最大瞬間風速は57.5メートルを記録。関東地方を中心に19地点で観測史上1位となる最大風速や最大瞬間風速を記録しました。
 暴風が被災地の住民にもたらした大きな障害が、家屋の屋根への被害です。千葉県を中心に、多くの家で屋根が飛ばされる、穴が開くといった被害が続出しました。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|令和元年房総半島台風

総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|令和元年房総半島台風

まとめにかえて

停電は地震、水害や豪雪などの自然災害や様々な原因による事故によって、全国各地で一年中発生する可能性があります。停電に備えて、スマホの予備バッテリーを用意し冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品が使えない状況を想定して調理手段などを備え、エアコンなどの冷暖房器具が使えない状態でも、暖(涼)をとる手段を備え、電力供給を必要とする家庭用医療機器などを使用している場合には、予備バッテリーや代替手段を備える。
停電による給水ポンプの停止などによる断水に備える等きめ細やかな対応が必要になります。

令和元年房総半島台風から学ぶ(停電)

台風が去った後も人々の生活を苦しめ続けたのが、長期間に渡った停電です。
暴風により鉄塔や電柱の倒壊、送電線の支障等が発生し、最大で約934,900戸で停電が発生しました。停電を起因とした断水の発生や交通機関の停止などライフラインへの被害が多数発生しました。
またこの年は酷暑で、冷房が止まったために、被災地の人々は暑さにも苦しめられることになりました。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|令和元年房総半島台風

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