二次災害について考えてみる・8月1日 川崎市高津区で土砂災害

土砂災害
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1989年8月1日、川崎市高津区で土砂災害が発生し、川崎市消防局のレスキュー隊が救助活動にあたっていたところ、再度土砂崩れが発生し、消防士3人が犠牲となりました。
土砂災害の後、さらなる被害が発生することがあります。これを二次災害と呼びます。例えば、豪雨による土砂崩れや地震後に発生する火災などが挙げられます。救援隊の被災も二次被害となります。
土砂災害特別警戒区域は、宅地化が進んだ地域で急傾斜地と住宅地が近くにある場所があります。
二次災害を防止するためには、災害発生後も気象情報に留意し、警戒監視を行う必要があります。
土砂災害が連鎖的に発生する場合があり、避難が難しい状況になることがあります。大雨や地震の際はがけに近づかないようにし、前兆を見逃さず避難することが必要です。災害時には普段では経験しない状況が発生するため、慎重な対応が求められます。

消防士3人が犠牲

1989年(平成元年)8月1日 川崎市高津区で土砂災害

出典 カナコロ|1989年8月1日の崖崩れで住民と消防隊員計6人が死亡し、隊員12人が重軽傷を負った土砂災害の現場=川崎市高津区蟹ケ谷(同市消防局提供)

神奈川県川崎市高津区の住宅地で、集中豪雨による土砂崩れが発生し、住民3人が生き埋めとなりました。川崎市消防局のレスキュー隊が出動して救助活動にあたっていたところ再度土砂崩れが発生、消防士3人が犠牲となりました。

二次災害とは

二次災害とは、一次災害を原因として連鎖的に発生する災害のことです。例えば、地震により暖房機器が倒れ火災が発生する、遭難者を救助しようと探しに出たが自分も遭難してしまう等があります。

土砂災害と二次災害

出典 川崎市|土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは

宅地化が進んだ地域では急傾斜地と住宅地が近く、土砂災害の心配があります。
また最初の土砂災害によって起こった被害に引き続いて、それから派生する別の被害として、がけ崩れや土石流、地すべりなどが連鎖的に発生したり、天然ダムが形成され決壊する可能性もあります。

二次災害の防止

災害発生後は、引き続き気象情報等に留意しつつ警戒監視を行い、安全が確認されるまでの間、災害対策基本法に基づく警戒区域の設定、立入規制、避難勧告等必要な措置を講じるとともに、救助活動や応急復旧対策の実施に当たっての十分な警戒等を行うことが必要である。
出典 平成22年版 消防白書

まとめにかえて

がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害が連鎖的に発生する場合があり、とっさの避難が難しいため、大雨や地震の際はがけに近づかないことが重要です。
また、がけにひび割れや亀裂がある、小石が落ちてくる、割れ目から水があふれてきている等の前兆を見逃さずその場から避難することが必要です。
災害時は普段では起きないことが発生し、その対応を迫られることがあります。事前にどのようはことが起きどう対応するかを想定しておくことも、命を守る行動をする上で重要です。

自助のヒント

自助のヒント 土砂災害の種類
 地面に染み込んだ水分などで土の抵抗力が弱まり、斜面が崩れ落ちる急傾斜地の崩壊(崖崩れ)、谷や斜面にたまった土砂が大雨で一気に流れ出る土石流、比較的緩やかな斜面が地下水などの影響でゆっくり動きだす地滑りがある。崖崩れは大雨の際だけでなく、地震によって起こることもある。崖のひび割れや小石の落下、わき水の濁り、地鳴りや臭いなどが前兆とされるが、これらは既に崩壊が始まっている状況を示す現象のため、気付いてから避難しても間に合わないと指摘されている。

出典 神奈川新聞カナコロ