「キキクル」で土石流から身を守りことを考えてみる・8月28日 愛媛・別子大水害

台風
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1899年8月28日、豪雨によって引き起こされた土石流が愛媛県の別子銅山を襲い、住宅や鉱山施設を一瞬にして押し流し、多くの被害をもたらしました。このような土石流の危険は、私たちが常に意識しておくべき課題です。土石流から身を守る方法や、災害の危険を事前に知るための情報ツール「キキクル」について考えていきます。

大雨により土石流が発生

1899年(明治32年)8月28日 愛媛・別子大水害

出典 四国災害アーカイブス|明治32年の別子銅山水害

愛媛県の別子銅山では、台風の接近により325mmの日降水量を記録し、この大雨により20時過ぎに土石流が発生しました。この土石流が採鉱・製錬の中心であった旧別子地区の住宅や鉱山施設を襲い、建物が崩壊、流出しました。
薪炭材にするための樹木の切り倒しや鉱山による煙害の影響で周囲に多かったはげ山が、土石流の原因とも言われています。

Googleマップ 別子銅山

土石流から身を守る

土石流とは

出典 国土交通省ホームページ

山腹、川底の石や土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流されるものをいいます。
その流れの速さは規模によって異なりますが、時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。
出典 国土交通省ホームページ

土石流は土砂が一気に下流へと押し流され、建物や畑などを壊滅させます。大雨や洪水による危険を事前に知っておくことは、防災に取り組む上で有益です。

災害の危険を知る

キキクルとは?

「キキクル」は、大雨や洪水による災害の危険が、どこで、どのレベルで迫っているかを、地図上で視覚的に知ることができる情報で、気象庁のホームページで公開されています。
テレビやラジオなどの気象情報で注意報や警報が発表されるなど、大雨による災害が発生するおそれのあるときや、急に激しい雨が降ったときは、このページにアクセスし、最新の情報を入手しましょう。大雨による土砂災害の危険度は「土砂キキクル」、短時間の強雨による浸水害の危険度は「浸水キキクル」、河川の洪水災害の危険度は「洪水キキクル」で、確認することができます。
出典 政府広報オンライン

出典 政府広報オンライン

気象庁「キキクル(危険度分布)」

土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)は、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを、地図上で1km四方の領域(メッシュ)ごとに5段階に色分けして示す情報です。
出典 気象庁|土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)とは

気象庁ホームページ「キキクル(危険度分布)」

キキクルを使いこなして早めの避難を

大雨による土砂災害や浸水害の危険を事前に知り、避難を判断する上で役に立つのが、気象庁の「キキクル(危険度分布)」です。その使い方を知っておきましょう。
・キキクルってどう使うの?
・きめ細かな表示を使いこなそう 2017年九州北部豪雨を例に
・キキクルは気象予報官からのメッセージ
出典 NHK防災

出典 NHK防災

まとめにかえて

土石流の発生を予測することは難しいかもしれませんが、災害についての様々な情報が収集、開示されています。これらを活用することで、地域の状況を把握しておくことは、防災に取り組む上で大事なことです。事前に災害を予測しておくことも、防災の備えとして有益です。

土砂災害は予測せず

平成21年7月中国・九州北部豪雨(平成21年7月)

やっていたのは川の洪水対策
~土砂災害は予測せず~

(防府市 60代 男性)

地域を一級河川の佐波川が流れているのですが、あの日もちょっと水が増えているかなといった程度でしたし、水害のことなんて全然頭にありませんでした。昭和26年に氾濫して大きな被害が出て以来、堤防を高くしたり、ダムをつくったり、対策はできていましたから、「よほどのことがない限り大丈夫」という気持ちでした。

ところが、今回、それとは関係ないところで土石流が発生してしまったのです。

最近は、雨が降るたびに昔採石場だったところから赤い水が出ていたので、「どうなっとるのかな」という懸念は少し持っていましたが、それが原因でもないようです。

とにかく、今回被害にあった老人ホームも避難場所に指定されていたぐらいですからね。こんな大規模な土砂災害が起こるなんて、誰も予想できなかったと思いますね。

自然の力の大きさをあらためて思い知らされました。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

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