九州北部で発生した豪雨による洪水や土砂災害は、早期の避難が命を守る鍵となることを示唆しています。水害が起こってからでは、思うように逃げられないことも事実です。そこで、気象情報の把握が重要です。降水の短時間予報や災害発生危険度を確認することで、適切な時に避難できるよう備えることが不可欠です。安全確保のためにも、これらのポイントを押さえておきましょう。自己と大切な人を守るために、豪雨や土砂災害、洪水などの自然災害に対する適切な対応を心がけ、早めの避難を心掛けましょう。
相次ぐ洪水や土砂災害
2012年(平成24年)7月11日から14日にかけて 九州北部豪雨
2012年(平成24年)7月11日から14日にかけて、九州北部地方は記録的な大雨に見舞われ、各地で河川の氾濫や土石流が発生するなど大きな被害となり、気象庁はこの大雨を「平成24年7月九州北部豪雨」と命名しました。
対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって湿った空気が流れ込み、熊本県阿蘇市で6時間に450mm以上の雨量を観測するなど九州北部地方で記録的大雨となりました。
この大雨で福岡県の矢部川では堤防が決壊するなど、河川の洪水や土砂災害が相次ぎました。
早めの避難が大事
災害の発生が想定される場合は、いち早く対応を考え、避難の準備をすることが必要です。土砂災害や洪水が発生する前に、周囲の状況を注意深く監視し、早めの避難行動をとることが大切です。避難指示が出る前でも、自己判断で適切な行動をとることができるように、事前に情報収集を行いましょう。
水が出てからじゃ、逃げようと思っても逃げられない
福岡水害(平成15年7月)
水が出てからじゃ、逃げようと思っても逃げられない
~地域で声かけ、早めの避難が大事~(福岡市 70代 男性 消防団員)
うちのグループで1階部分が水に浸かったところは、1戸1戸確認して回りました。それが100戸以上。ある住宅では、車椅子の女性が膝ぐらいまで浸かっていたので、抱え出して小学校の方に避難してもらいました。地元の人が「あそこは1人やから。車椅子じゃから」って言うから、家の中まで入っていきました。
ただ、一般の人は、実際に自分のとこらへんに水の来んかぎり避難所に行かんとです。「学校か公民館に避難してください」と言っても、「いや、うちは来んでしょう」っていうような感じでね。川のすぐ近くの人たちは避難するけど、もう1つこっちの道路になると溢れてなければ全然腰をあげません。「川の近くじゃけん、見える」とおっしゃった人もおるけど、そこらへんが難しいなと。
川が溢れる時は、見る間にドーって増えるけんね。水が出てからじゃ、逃げよう思っても逃げられんようになるってことを知っていてもらいたいなと思いますね。
出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト
避難のタイミング
水害や土砂災害が発生した際、避難するタイミングは非常に難しいものです。だからこそ、適切な時に適切な行動を取るためには、事前の準備が欠かせません。警報が出てからでは遅いことが多いため、常に警戒心を持ち、最新の情報をチェックしておくことが必要です。
気象情報を知っておく
いち早い避難をする為には、いち早い情報の入手がかかせません。事前に情報の入手先を知っておくことが必要です。
降水の短時間予報を見るーナウキャスト
気象庁のナウキャストは、数時間先までの予報を発表する気象予報システムです。降水、竜巻発生確度、雷活動度の分布について、1時間先までの予測を発表しています。
災害発生危険度を確認ーキキクル
「キキクル」は、気象庁が運用しているリアルタイムで大雨による災害発生危険度を確認できるサービスです。
強い雨が降ってきたときに土砂災害、浸水害、洪水災害など、災害が起こる危険度をマップ上の「色」で確認できます。
また、リアルタイムだけでなく、数時間先まで危険度が予測されるため、今いる場所から避難の必要性を判断するのに役立ちます。
使おう!キキクル
キキクルは、大雨による災害から、あなたやご家族の命を守るための情報です。Part2では、大雨の警戒レベルの色と、とるべき行動を紹介します。キキクルの使い方のポイントはこちら→https://www.data.jma.go.jp/saga/shosa…
出典 気象庁佐賀地方気象台
まとめにかえて
気象災害で発災までの時間的余裕がある場合でも、適切な対応をすることが重要です。
その為には気象情報を確認し、危険度に応じた行動をとることや、避難場所や避難経路を確認し、避難する場合は必要な物品を準備し、避難には周囲の人々と協力し合って安全な場所へ移動することが重要です。
参照 東京都防災ホームページ