災害リスクの理解と備えは、予期しない事態から身を守るために欠かせません。歴史的な災害事例として、1911年の稗田山崩れがあります。この自然災害では、長野県小谷村の稗田山が崩壊し、土砂が大規模な被害をもたらしました。このような過去の教訓を踏まえ、ハザードマップを活用して自分の地域のリスクを事前に把握することが重要です。
稗田山の崩壊そして天然ダムの決壊
1911年(明治44年)8月8日 稗田山崩れ
長野県小谷村の姫川支流の浦川上流にある稗田山が突然崩壊し土砂は浦川を埋積、さらに姫川河口にある新潟県糸魚川市まで達しました。
崩壊した土砂の堰き止められて生成された天然ダムは翌年の大雨で決壊し、さらに被害が拡大しました。
ハザードマップポータルサイト
自分の身の回りはどのような所なのかは、知っているつもりでも分かっていない場合があります。災害に遭って初めてそこがどのような所だったか知るよりは、事前に入手できる情報は事前に知っておくことが大事です。
ハザードマップが配られました。
令和元年東日本台風
災害前の出前講座が役に立った
60代 男性 元住民自治協議会副会長
その年の4月に、1000年に一度程度の降雨を想定した新しい洪水ハザードマップが配られました。私たちの地区は毎年9 月に防災訓練をやっていますが、そのハザードマップの見方が分からなかったので、市の防災課に出前講座を依頼しました。
「1000年に一度だとピンとこない。100年に一度くらいのものが来たらどうすればいいのか」と聞いたところ、「防災マップの中の紫色の線が100年に1回のラインです。まずはこのラインから外に出てください」と言われました。
それが頭に残っていたんです。
土のうの準備の話が消防団からきて、「台風が本当に来るんだな。やばいな」と思い、避難先をどうするかについて考えました。山手の方の指定避難場所にみなが一斉に避難しようとすれば、道も混み、山の坂も上らなければいけない。特に弱者には厳しいだろうとなったとき、1000年に一度の雨でなければいいんじゃないかと、前の年まで避難場所であった、ハザードマップの紫色のラインのギリギリ外にある小学校への避難を本部の会議で提案。自治会長から小学校の教頭先生へ事情を説明してもらい、そこの体育館を避難場所として開けてもらうことができました。
出典 国土交通省|一日前プロジェクト
身のまわりの災害リスクを調べる
ハザードマップポータルサイトでは、身のまわりの災害リスクを調べることができます。
重ねるハザードマップ
災害リスク情報や防災に役立つ情報を、全国どこでも重ねて閲覧できるWeb地図サイトです。
出典 国土交通省|重ねるハザードマップ
わがまちハザードマップ
わがまちハザードマップは全国の地方公共団体のハザードマップを閲覧できるリンク集です。
出典 国土交通省|わがまちハザードマップ
ハザードマップの使い方
ハザードマップポータルサイトの使い方を動画でみることができます。
出典 国土交通省|ハザードマップポータルサイト|使い方を動画で見る
身の回りの災害危険性の確認
自然災害リスクを表示させ、知りたい地点のリスク情報をまとめて調べましょう。
わがまちハザードマップ
各市町村が作成したハザードマップを見てみましょう。
まとめにかえて
自分の身の回りはどのような所なのかは、知っているつもりでも分かっていない場合があります。災害に遭って初めてそこがどのような所だったか知るよりは、ハザードマップで事前に入手できる情報は事前に知っておくことが大事です。現代では、ハザードマップポータルサイトを通じて、より詳細な災害リスク情報にアクセスできるようになっています。